神奈川県松田町の再エネ導入促進条例が施行 町民参加で原案策定、「地域エネルギー享受権」を規定
- 2020/4/10
- 地域, 政策
- 新エネルギー新聞2020年(令和2年)04月06日付

神奈川県西部にある松田町議会で3月13日、「松田町再生可能エネルギーの利用等の促進に関する条例」が可決され制定された。条例は3月19日に公布・施行されている。
本条例の原案策定の際には、町民参加の形式が積極的に採用された。全国的に珍しい原案策定のプロセスを経ている。町民に加えて学識経験者・町が参加する「松田町再生可能エネルギー普及促進検討会」(座長:亀山秀雄・東京農工大学名誉教授)を組成。2018年12月から2019年上期にかけて連続して全4回開催され、検討を行った。
町民参加は、「地域エネルギー享受権」の規定という形で条例に反映された。条文では「持続可能な方法により地域に由来する再生可能エネルギーを享受する権利」とされており、地域エネルギーの導入・利活用・そして再エネ関連事業においても町民が主体的に担っていくとの町の取り組みの基本的な理念が表明されている。
また、松田町で計画される発電などの再エネ関連の民間事業は、地域経済への貢献が配慮義務として求められているほか、町長に提出した計画が規則に定められた条件を満たすと認められた場合は「地域主導型再生可能エネルギー事業」に認定される。
認定された事業は、条例の検討当初、町が所有する施設や敷地を廉価で借り受けることができる支援を受けるとされていたが、町議会などの議論を経てこの支援の条文は削除された。但し町には既に町所有施設の民間活用に関する他の条例と手続きがあり、別途この条例・手続きを経れば同様の優遇措置を受けることができる。

