ソーラーシェアリングにおいて発電した再エネ電気で稼働する農業ロボット開発へ =JXTGホールディングス/AGRIST

営農型発電と自動収穫ロボットの技術シナジー深耕

JXTGホールディングスは、2019年10月に設立した新規事業推進のための100%子会社、JXTGイノベーションパートナーズ合同会社を通じ、スタートアップ企業のAGRIST(アグリスト、宮崎県新富町)に出資し協業を開始する。

[画像・上:自動収穫ロボットの事例。ピーマンを収穫している(提供:JXTGホールディングス)]

アグリスト社はAIなどの技術で農作物の自動収穫を行うロボットを開発している。地元農家とも積極的に意見交換し、その中からロボット普及にあたって「転倒しない」「圃場の機械や装置類と干渉しない」「従来のロボットアーム型収穫機より低コスト」という新たな開発コンセプトを見出し、張り巡らしたワイヤを用いる「吊り下げ式ロボット」を誕生させた。吊り下げ式ロボットは2020年1月より地元のピーマン農家で運用が開始されている。

一方のJXTGホールディングスは事業領域開拓の一環として、農地の上で太陽光発電も行うソーラーシェアリング(営農型発電)の普及に取り組んでいる。昨年8月には、ソーラーシェアリングのコンサルティング建設運営を手掛けるベンチャー企業、アグリツリー(福岡県那珂川市)に出資。ハウステンボス(長崎県佐世保市)が園内で始めた自家消費型ソーラーシェアリング(130kW、パネルの下の農地ではブルーベリー観光農園を運営)も構築したアグリツリーとの資本業務提携の中で、知見を蓄積してきている。

今般のJXTGホールディングスによる出資協業では、ソーラーシェアリングと自動収穫ロボットの技術を掛け合わせて、農作業の自動化を実現し、再エネ普及と農業における課題解決を両立させる事業モデルの構築を目指す。その中ではソーラーシェアリングで発電した再エネ電気をロボットに供給し稼働させることを含む、高いシナジー効果発揮が期待されている。

両社は今後、共同で実行計画を策定し、今年夏を目途に設備の開発実証を開始する予定だ。

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