〚「新エネ大賞」受賞者の横顔〛三浦工業:東京ガスと共同開発したモノジェネSOFC 発電効率63%、低熱需要ユーザーも導入しやすく
- 2026/3/2
- 水素
- 新エネルギー新聞2026年(令和8年)03月02日付

令和7年度「新エネ大賞」新エネルギー財団会長賞【商品・サービス部門】
三浦工業・東京ガス:世界最高レベルの高効率燃料電池システム
[画像・上:新エネルギー財団会長賞を受賞した、高効率燃料電池システム「FC-6M」外観]
三浦工業(東京都港区)が東京ガス(東京都港区)と共同開発した固体酸化物形燃料電池(SOFC)システム「FC-6M」は、都市ガスを燃料として、高効率に電気を生み出す燃料電池だ。発電効率は63%の世界最高レベル。このほど、一般財団法人新エネルギー財団主催の令和7年度新エネ大賞において、「新エネルギー財団会長賞」を受賞した。

「FC-6M」は、東京ガスが培ってきた「SOFCスタックの二段化」および「燃料再生プロセス」を組み合わせた燃料電池の高効率化技術と、三浦工業が持つ熱流体や制御に関するノウハウを融合させることで高効率化を実現した。都市ガスから取り出した水素と酸素で発電する燃料電池(SOFC)を多段化し、その間に発電時に発生したH2Oを除去する燃料再生機構を設けることで、発電に利用する燃料の割合を高めている。一般的なSOFCシステムの発電効率が50~55%であるのに対し、これを大幅に上回る世界最高レベルの発電効率63%達成に成功した。
「FC-6M」は、設置面積あたりのCO2排出量削減効果が高く、一般的な太陽光発電システムの約40分の1の面積で、同等のCO2排出量削減効果が得られる。また、停電時でも都市ガスが供給されていれば発電を継続でき、最大5kWの電気を供給可能(5kW出力はオプション対応)。最大8台の複数台連結運転により、約46kWまで大容量化が可能で、電力需要に応じた最適な発電出力を選択できる。

同社は、2024年10月より「FC-6M」を販売開始し、既に多くの導入先での活用が始まっている。東京ガス野村不動産エナジーが運営する芝浦エネルギーセンターでは、CCU装置と併設されて、最新の脱炭素技術の実証試験が行われている。都内の公共施設である大田区立ライフコミュニティ西馬込では、限られたスペースで優れた発電能力を発揮し、加えて施設の災害対応能力向上に寄与している。
「FC-6M」は、発電のみのモノジェネレーションシステムとして、熱需要の少ないユーザーも導入しやすく、導入提案先が拡大すると期待する。特に省エネ・CO2排出量削減、またレジリエンス強化のニーズがあるユーザーが主な導入提案先であり、自治体施設はその重要な候補となっている。また、より高度なZEB達成手段として、発電効率が高い燃料電池に期待が寄せられている点も視野に入れる。
三浦工業は「本システムの導入を通じてお客様の省エネルギーやCO2排出量削減、レジリエンス強化をすすめていきます。また技術革新と価値創造に挑み、エネルギー分野の課題解決に取り組むとともに、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます」と抱負を述べた。

