平成29年度新エネ大賞 11件決定 2月14日に表彰式挙行へ
- 2018/2/5
- 特集
- 新エネルギー新聞2018年(平成30年)02月05日付

エネルギーイノベーション総合展では、「新エネ大賞」表彰式が執り行われる。同賞は、経済産業省の後援により、新エネルギー等に係る機器の開発、設備等の導入及び普及啓発の取組について表彰するもので、本年度は経済産業大臣賞1件、資源エネルギー庁長官賞1件、新エネルギー財団会長賞8件、審査委員長特別賞1件の計11件が選ばれた。一般財団法人新エネルギー財団から発表された。
[画像・上:昨年開催された、平成28年度新エネ大賞表彰式の様子]
【経済産業大臣賞】
<活動導入部門>
滝上発電所還元熱水を活用した地熱バイナリー発電システムの導入(出光大分地熱)

地熱バイナリー発電所設備(提供:出光大分地熱)
出光大分地熱が運営する「滝上バイナリー発電所」は、九州電力の地熱発電所である「滝上地熱発電所」(2万7,500kW)からの未利用還元熱水を利用した地熱バイナリー設備(5,050kW)を導入した。バイナリー発電の技術課題として、シリカスケール付着や貯留層冷却の問題などを解決し、順調に稼働している。今後の地熱発電の導入拡大が期待できる取組として高く評価された。
【資源エネルギー庁長官賞】
<商品・サービス部門>
太陽光発電システム用ハイブリッドパワーコンディショナークーラー(デンソー/デンソーエアクール)

ハイブリッド パワーコンディショナー クーラー(提供:デンソー)
カーエアコンで培った熱交換器の技術を応用した沸騰冷却システムと、コンプレッサー駆動の冷却システムをハイブリッドで作動させることで、PV用PCSの排熱を効率よく冷却するとともに、省電力化を実現したクーラー。従来品と比較して消費電力を約80%低減。コンプレッサーの稼働が短時間なため製品寿命は20年と長く、メンテナンスの負担を軽減。今後のメガソーラ事業への反映が期待できるものとして高く評価された。
【新エネルギー財団会長賞】
<商品・サービス部門>
アイスシェルターは氷を貯蔵した千年氷室~氷だって新エネルギー~(土谷特殊農機具製作所)

アイスシェルター(提供:土谷特殊農機具製作所)
アイスシェルターは、冬の寒冷な外気を導入して水槽に貯めた水を凍結させ「天然氷」を作り、それを冷熱源として貯蔵庫を低温・高湿度に維持する冷熱貯蔵システム。庫内の温度は、冬は水の凝固熱で暖かく、夏は氷の融解熱で冷却され、ほぼ1年中一定の温度で利用できる。また、トレーラーに積み込む「移動式氷室(アイスシェルター)」を開発し、生産現場からマーケットに直結できるシステムを提案。新しい形態の流通が期待できるとして評価された。
安全性と耐久性に優れた『燃料電池用水素循環ブロワ』(テクノ高槻)

同社製の水素循環ブロア(提供:テクノ高槻)
燃料電池システムのスタックで反応しきれなかった水素を、もう一度スタックの上流へ返送する水素循環ブロア。同社は小型、低価格、かつ安全性と耐久性に優れた大型車両向けの水素循環ブロアを開発した。今後、燃料電池自動車などへの利用が期待される。
<普及啓発活動部門>
市民共同発電事業と地域新電力事業の相乗効果による新たな普及促進の取組(一般社団法人コナン市民共同発電所プロジェクト/こなんウルトラパワー/湖南市)

市民共同発電所参・四号機オープニングセレモニー(提供:こなんウルトラパワー)
市民、地元企業、行政等が連携し、それぞれの立場で再エネの普及活動を取り組んでいる。特に市民共同発電所と地域新電力との連携により、電力の地産地消を実現したことが評価された。
水素が作る未来の形! ~水素情報館「東京スイソミル」の挑戦~(公益財団法人東京都環境公社)

東京スイソミル外観(提供:公益財団法人東京都環境公社)
水素社会の意義、安全性、将来像等への理解を目的とした情報館「東京スイソミル」を開設し、展示やイベント等を実施。全国初の水素エネルギーに関する普及啓発施設であり、多くの来館者が訪れている。水素社会の実現に向けた持続的な取組が評価された。
音楽とキャラクターを通して太陽・風力エネルギーを身近にする啓発活動(NPO法人エコロジーオンライン)

女子美術大学とコラボして作成した新エネ啓発キャラクター(提供:NPO法人エコロジーオンライン)
音楽やキャラクターなどを使って、再エネに関する普及活動を実施。独自性があり、また長年にわたり継続していることが評価された。
<導入活動部門>
福岡市水素リーダー都市プロジェクト~下水バイオガス原料による水素創エネ技術の導入~(福岡市/三菱化工機/豊田通商/九州大学(鳥取環境大学))

福岡市中部水処理センター内の水素ステーション(提供:福岡市)
下水処理で発生する下水バイオガス(消化ガス)から高濃度の水素を製造し、水素ステーションで燃料電池自動車(FCV)に供給するプロジェクト。世界初の事業で、経済性にも優れており、世界の多くの都市へも広がることが期待される。
温泉熱を用いた、イチゴ通年栽培の実現による顧客体験価値最大化への取り組み(オリエンタルランド/ホッコウ/アグリス)

温泉水はハウス内を加温後イチゴの株元を直接加温し、最後はハウス側面に流し融雪に利用する(提供:オリエンタルランド)
自社レジャー施設で消費するイチゴの全量を通年供給する事を目的として、温泉水を最大限利用するハウス・栽培システムを導入し、サプライチェーンにおける低炭素化を新エネ活用により実現した。積雪寒冷地での高付加価値作物の通年栽培の可能性も示し、他の農業地域への波及も期待される。
東日本大震災から温泉街の復興・再生をめざし再エネ事業とともに立ち上がる(元気アップつちゆ)

土湯温泉16号原泉バイナリー発電所(提供:元気アップつちゆ)
温泉街の復興・再生を目指して、温泉熱利用のバイナリー発電所(400kW)と砂防堰堤利用の小水力発電所(140kW)を導入し、売電収益は復興再生事業や地域振興に役立てている。発電所が産業観光ツールとなるなど、復興事業として独創的で、地域の安定した事業となっていることが評価された。
【審査委員長特別賞】
<普及啓発活動部門>
産官学金民の連携による地域貢献型フロートソーラーの普及・推進(PS洲本/洲本市/龍谷大学)

龍谷フロートソーラーパーク洲本の上空写真(提供:PS洲本)
地域の産官学が連携して、ため池を利用した太陽光発電所を設置し、その収益をため池の維持管理や地域振興などに活用する取組を実施。農業用ため池の課題を太陽光発電事業と組み合わせることで解決しており、今後、ため池ソーラーの拡大が期待できるものとして評価された。

