「太陽光発電所の雑草」どう対処?

野立ての太陽光発電所においてメンテナンスの主たる作業の一つとなるのが雑草対策だ。伸びてしまった雑草はパネルの間から顔を出して影ができてしまうことで発電量の低下につながるほか、バックシートや配線と干渉することで思わぬ機械トラブルを招きかねない。本特集では効果的かつコストパフォーマンスの高い雑草対策の方法をスペシャリストが登場。対処の最新トレンドをかたっていただく。そのイントロダクションとして、建材や環境土木事業に加えて太陽光発電所保守保全事業も展開する野原ホールディングスに訊いた。

野原ホールディングス 経営企画部再生エネルギープロジェクト室長 増田幹弘氏

「雑草対策に万能薬なし、まずは発電所個別の用件把握を」

雑草は光、適温、水の条件が揃うと植生します。雑草には数多くの種類があり、光を奪い合って生存競争しています。早く大きく高く育った雑草が残るため、年々状況が悪くなります。また草刈りをすれば株が太くなり、年々背が高くなる雑草の割合が増えます。

雑草を防ぐにはまず初期費用はかかりますが、光を遮る方法があります。防草シート、土を固めるなどです。いずれも確実に光を遮ること、耐久性(紫外線劣化、突起物破損など)があることが重要です。ただし、光を遮ることはイコール雨水を通さないことに繋がります。敷地面積によりますが、雨水を直接他の敷地に流す排水行為は違法になり、行政などから対策を求められます。防草シートなどを全面に敷き詰めないようにしてください。

[画像・上:3月に施工して3カ月後の6月に雑草が防草シートを突き破った様子。原因は①防草シートの選択ミス、②施工ミス:端部・抑え金具部へのテープを未実施、③施工ミス:下地調整不足(防草シートが地面に密着していない)]

草刈りの場合、作業員が熱中症になったり怪我をしたりする話をよく耳にします。事故が発生した場合、発電事業者は安全管理に重い責任を負います。必ず、作業日までに「作業実施計画書」、有資格や健康診断を確認するための「作業員名簿」、作業中の「日報」などを業者に求めてください。

除草剤散布の場合、農薬と農薬でない除草剤の2種類ありますが、「農薬」を使用し、農薬取締法を遵守して散布作業をしてください。農薬取締法は農薬の安全性、適切な施用と飛散防止、近隣住民・作物および作業者の安全など安全・適正な使用方法を定めているからです。また、緑の安全管理士、農薬管指導士などの有資格者の専門家に委託する方が安全で安心だと考えます。自分自身で除草する場合、近隣の樹木まで枯らす除草剤もありますので、専門家に相談してください。

残念ながら万能薬のような雑草対策はありません。地域、土の成分、土性、近隣の植生によって対策は大きく変わりますので、上手に対策方法を組み合わせて、早めの対策を実施するように心がけてください。

皆様の良い雑草対策によって、太陽光発電が主力電源になり、優良な主力電源事業者になられることを祈念いたします。

■増田幹弘氏プロフィール■
野原ホールディングス株式会社
経営企画部 再生エネルギープロジェクト室長
太陽光発電アドバイザー、緑の安全管理士、東京都農薬指導管理士
2009年、野原産業(現 野原ホールディングス)に入社。2013年、事業開発部において八ヶ岳研修所の遊休地活用事業として太陽光発電プロジェクトを主幹。現在は、太陽光発電に関わる新事業として、第三者の視点からの再生エネルギー保守保全「SUN SUN GUARD 20」を展開。豊富な知識と多様な事例、経験から、太陽光発電事業者向けセミナーにて講師も務める。

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