≪特集「『2050年脱炭素』とバイオマス」≫農水省、バイオマス活用推進基本計画改定へ 問われる「2050年脱炭素」との連携具体化

○バイオマスの利用量…2030年に年間産出量の約80%
◆バイオマス産業の規模…2030年に製品・エネ市場の約2%

8月、内閣府農林水産省経済産業省環境省など関係7府省の政務級の代表者が出席するバイオマス活用推進会議の第10回が開催。第3次となるバイオマス活用推進基本計画の改定について議論を行った。「2030年に2013年度比で温室効果ガス(GHG)46%超削減」・「2050年カーボンニュートラル」の目標が国によって掲げられる今、目標達成にあたってバイオマスが担うべき役割は大きい。ただ、脱炭素目標に紐づけられたバイオマスの「役割」の具体像、定量的な達成ロードマップに関しては、いまだ不透明感があるのが現実だ。

[画像・上:バイオマス活用推進会議(第10回)の様子]

バイオマスの活用促進に関する施策に関する基本的な方針、国が達成すべき目標、技術の研究開発に関する事項などを規定するバイオマス活用推進基本計画。バイオマス活用推進基本法に基づき定められている。同法では「少なくとも5年ごとに検討を加え」るとされており、2010年12月に初めて閣議決定された後、第2次計画が2016年9月に策定・閣議決定された。今般の基本計画は第3次となる。

バイオマス活用推進基本計画の今回の改定のポイント(資料:農水省)

この日開催された推進会議では、議題となった基本計画改定案に関して出席した7府省の政務級から異論はなく、その後、閣議決定の手続きに入った。

今回の改定では、2030年目標を新たに定めた項目が盛り込まれたことがポイントだ。まず「バイオマスの利用量」に関しては、家畜排泄物や下水汚泥などのバイオマスとしての有効活用を対象としてきたこれまでの基本計画では、炭素換算値で約2,600万トンを目標にしていた。同目標に対して2019年時点で約2,400万トンまで達成できている。第3次基本計画では、対象として新たに果樹剪定枝やキノコの廃菌床などを加えた上で、2030年の利用率として年間産出量の74%から80%に拡大する目標を立てている。

「バイオマス産業の規模」では、旧来の目標は約5,000億円だったが、2019年の時点で既に約5,300億円に到達している。この5,300億円という金額は、製品・エネルギー市場全体である約57兆円(2019年度)のうち約1%に該当する。第3次推進計画では、バイオマスプラスチックや持続可能な航空燃料(SAF)などのイノベーションを通じて、2030年に製品・エネルギー市場の約2%を国産バイオマスが占めることを目標とした。

第3次基本計画が「2030年目標」にポイントを置いたことは、当然「2050年脱炭素・2030年GHG削減目標」の国の方針と平仄を合わせた結果だ。この日の推進会議冒頭で挨拶に立った野中厚・農林水産副大臣は改訂基本計画を基に取り組みを進め、「2050年カーボンニュートラルに貢献できる」とした。

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