【年頭所感・2023年:学術・研究⑧】大野 輝之((公財)自然エネルギー財団 常務理事)「国を誤るエネルギー政策に終止符を」

岸田政権が昨年末に策定した「GX基本方針」は、わずか5カ月の密室の議論で東日本大震災以降、政府が堅持してきた「可能な限り原発依存度を低減する」という原則を放棄してしまいました。開発に取り組むという「次世代革新炉」は既に英仏などで建設が進んでいるものですが、着工から15年たっても完成せず、建設コストも1基2兆円へ跳ね上がっています。同様に国が力を入れるアンモニア混焼発電もCCS付き火力発電も、排出削減効果、高コスト、技術開発の困難という点で、実現可能性に大きな疑問符のつくものです。

G7は昨年の首脳会合で、2035年までに電力部門を完全に、あるいは大部分を脱炭素化する目標で合意しています。今年、議長を務める日本には、この合意実現に向けた戦略を明らかにすることが求められおり、自然エネルギー開発を飛躍的に加速する以外に、日本の電源脱炭素化を進める現実的な選択肢はありません。

既に多くの企業がPPAなどの活用で追加性のある自然エネルギー拡大に取組み、地方自治体では、東京都、川崎市が住宅メーカーへの太陽光発電設置義務の導入を進めるなど先駆的な動きを始めています。ソーラーシェアリングによる農業との共生など地域電力の取組みも活発になっています。

日本の未来を誤る岸田政権のエネルギー政策には一刻も早く終止符を打たなければなりません。企業、自治体、地域の力を結集し、自然エネルギー拡大を加速するため、自然エネルギー財団は、2035年へのエネルギー戦略、洋上風力発電の推進に向けた提言、PPA導入の具体的なガイドブックなどの作成に取り組んでいきます。3月8日には、3年ぶりに財団の主要イベントREvisionを会場開催いたします。今年も自然エネルギー財団の活動にご注目いただけるようお願いいたします。

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