【年頭所感・2023年:学術・研究⑩】亀山 秀雄(国際P2M学会副会長/(独)環境再生保全機構プログラムオフィサー/東京農工大学名誉教授)「カーボンリサイクル分野での新エネルギー研究開発とプログラムマネジメント人材育成の投資がこれからの日本に必要」

明けましておめでとうございます。

昨年6月にスイスのIMDから出された「国際競争力年鑑2022」によれば、日本の国際競争力は、63の対象国中で過去最低の34位を更新した。その理由として、ビジネス効率性の中の経営プラクティス分野(最下位63位)の低さが指摘されている。この分野は、経済ニーズやビジネスニーズに応える人的資本や市場変化を適確に認識し、迅速に意思決定を行う組織資本から構成されるマネジメント分野の総合指標である。この対策として、外部環境の変化に迅速に対応して積極的にオーナーに提案するミドルアップダウンマネジメント経営の方法である日本のプロジェクト&プログラムマネジメント(P2M)のさらなる推進が求められていると言える。

日本の人材育成投資も欧米に比べて極めて低くい。企業の人的投資額のGDP比率の比較も厚生労働省の資料によれば、他の国は15年間2%前後で横ばいである。しかし、日本は15年前より4分の1に低下しており、米国の20分の1の0.1%である。このような企業の人的投資を怠る風土に対して、国は、5年間で1兆円のリスキリング(学び直し)支援を行うと表明している。

一方、日本の技術面では、特許の総件数、水素・アンモニア利用技術、カーボンリサイクル技術、省エネ技術、半導体技術においては、上位の地位を保っている。この強みを生かして、社会ニーズに応えて、投資先と人材育成を合わせて行う事が効果的であると思われる。今年の4月から「改正省エネ法」が施行される。これは、現行 省エネ法の「エネルギー」の定義を見直し、使用の合理化の対象を非化石エネルギーを含む全てのエネルギーに拡大したものだ。

日本が非化石エネルギーの利用によるカーボンリサイクル分野を科学技術・イノベーションを勝ち筋の源泉として、うさぎのように飛躍して、今年は国際競争力のV字回復につながることを期待したい。そのためには、日本発の提案型P2M学習をリスキリング支援とカーボンリサイクルビジネス分野での研究投資において国が先導的役割を演じることを望みたい。

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