《【特集】新エネ大賞縦覧》経済産業大臣賞=秋田県産業労働部ほか…定流量で発電可能な水車で小水力の導入可能性拡大

令和7年度「新エネ大賞」の受賞事例が、主催する(一財)新エネルギー財団から1月27日に発表された。

新エネ大賞は新エネルギー等に係る機器の開発、設備等の導入、分散型新エネルギーの活用及び地域に根差した導入の取組みを広く公募し、優れた案件を表彰する制度で、新エネルギーの導入促進を図ることを目的としており、これまでに334件が表彰された。本年度は太陽光発電を中心として、バイオマスエネルギーや風力発電、水力発電など、様々な分野から48件の応募があった。

審査の結果「商品・サービス部門」「導入活動部門」「地域共生部門」の3部門から、経済産業大臣賞1件、資源エネルギー庁長官賞2件、新エネルギー財団会長賞9件、審査委員長特別賞2件の合計14件が新エネ大賞に選出された。

さらに本年度はベンチャー企業の取り組みを奨励する「ベンチャー企業特別賞」が設けられ、Suatech(東京都港区)が受賞。副賞100万円が贈呈された。

令和7年度「新エネ大賞」
経済産業大臣賞
【商品・サービス部門】

秋田県産業労働部東北小水力発電早稲田大学
広範囲な流量・落差で運転可能な新型水車の開発

[画像・上:本水車を導入した商用水力発電所第一号案件である、長野県企業局運営の「豊丘ダム発電所」(長野県須坂市)]

産官学の連携でフランシス水車を改良し、運転可能領域を拡大した新型水車を開発した。

従来型のフランシス水車は、定格水量の30%以下では振動・損傷の防止のため停止する。新型水車はそれらの発生要因となっている出口部分のドラフトチューブに代え、渦巻き形状の「ボリュート」を設置。併せて最適設計された水車羽根車(ランナ)を用いて、低水量域での運転を可能にした。

経済産業大臣賞・商品・サービス部門を受賞した、秋田県産業労働部らが開発した新型水車

従来型の流量変化幅が30~105%であるのに対し、新型は10~100%と低流量でも安定して稼働するため、発電電力量が増大する。落差変化幅も従来型は60~140%だが、新型は50~150%に広がった。さらに新型は出力1%からでも発電できる。商用第一号機(豊丘ダム発電所)での更新事例では、全体的な発電効率を5~10%向上させた。

また新型水車は、現地状況に合わせてボリュート部を設計・加工して柔軟に配置できる特徴があるため、初期費用が低減できる。発電電力量の増加と施工コストの低下で、これまで事業採算性が悪く開発を断念してきた地域への導入促進が期待される。配置の自由度の高さはリプレースにも適しており、従来型のフランシス水車はもちろん、老朽発電所の他種の水車も置き換えることができる。

今後はシステムの標準化や量産化を通じて、更なるコストダウンおよび普及拡大への寄与を目指す。

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