アルミケーブルの施工講習会を定期開催へ【古河電工】太陽光発電所でもメリット多いアルミケーブル施工のノウハウ伝授

古河電気工業は、太陽光発電所などでも使用されている導体にアルミニウムを活用したCVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)の施工講習会を開始する。

[画像・上:「らくらくアルミケーブル」端末施工講習会のイメージ。ケーブル延線体験を行っている場面(提供:古河電気工業)]

アルミは、CVケーブル導体として一般的な銅よりも伝導率(熱伝導率)は低いもののスチール(鉄)の約3倍あり、比重は銅の約3分の1。軽く柔軟性に富んでいるので施工において省力化・ケーブル費用削減に貢献する。

古河電工の産業用電線製造子会社である古河電工産業電線(東京都荒川区)は、600V以下の電力用アルミケーブルのCVケーブル本体や専用端子・圧着端子、端子台、端末処理の専用工具などからなるシステムを「らくらくアルミケーブル」との名称で製品化している。

古河電工産業電線のらくらくアルミケーブルは、銅導体CVケーブルと比較して30~50%の軽量化を実現しケーブル敷設作業の省力化を実現する。またアルミ導体を覆う絶縁体(絶縁被覆)には柔らかく、かつ低温環境でも固着しない柔軟性架橋ポリエチレンを使用しており、絶縁剥ぎ取りの作業効率向上に寄与している。さらに曲げる際に必要な力は銅導体CVケーブルの3分の1で済むので取り回しのしやすさが大きく向上するなど、アルミの特性を活かした仕様となっている。

その一方でアルミニウムという物質は、特定の金属の接触による電解腐食(金属の電位差による電食)や、ハンダ付け加工の困難さ(酸化が速いため)、応力緩和などの課題も持つ。

アルミケーブル施工講習会の座学の様子(提供:古河電工)

今般開始が発表された施工講習会はこのらくらくアルミ導体ケーブルの取り扱いをフォローする目的がある。施工業者が取り扱うにあたって、アルミ導体について正しい知識を持ち、端末処理を適切に行う知識・技能を得るためのサポートプログラムだ。

講習は座学と実技の2部制で約3時間をかけて実施される予定。参加費は無料。座学ではオリジナルテキストを用いて、「専用端子の必要性」、「電食対策」、「酸化被膜の除去」などアルミ導体の接続を行う上で知っておくべき知識を指導員が解説。そして実技では、指導員がデモンストレーションを行いながら、アルミ導体専用端子の組立手順と注意事項の説明を行った後、受講者自身で端末処理や、さらには延線(ケーブルの仮置き)や整線(ケーブルをまとめること)、盤への接続などの作業を体験する。

古河電工は同社平塚事業所(神奈川県平塚市)に本・施工講習会のための「らくらくアルミケーブル技能訓練センター」も開設した。月1回のペースでの開催が予定されており、その他に要望に応じてのイレギュラーな開催にも応じる予定。これまで不定期に開催してきた講習には施工事業者・電気工事事業者のみならず、建物の施主、設計関係者も多数受講しているという。

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