新エネルギー財団「導入促進に向けた提言」まとまる①風力

加えて、関連諸制度の整備と事業者の新制度への対応体制などの準備には今後数年間かかると予測。そこで、その間は現行FIT制度を引き続き活用し、制度の整備待ちより風力発電の事業開発が滞ることのないようにすべきと、移行期間の事業リスクヘッジを提案している。

2019年9月時点の風力の導入量と認定量(資料:経産省)

抜本見直しの中では、現行のFIT制度で再エネ発電事業者に認められているインバランス免除の特例に関しては、風力や太陽光などの出力変動型再エネ電源(VRE)の出力予測の誤差は実需給に近づくと急速に小さくなることを前提として、「大きなインバランスが発生しない、あるいは発生しても十分に低減できる手段が常に手当てされるような関連制度を整備」した上での特例廃止にするべきと提言した。また、各電源のまとめ役となることでVREのインバランス対応に大きな役割を果たすことが見込まれるアグリゲーター、および小売電気事業者が行う風力発電からの買取が、それぞれの電力エリアにおける競争的な環境下で行われるように、「事業者育成が望まれる」ことにも言及している。

発電事業者やメーカーなどの民間企業から改善を求める声が多い、工事計画届出の審査プロセスや風車の型式取得の是正も提言された。足下で導入案件の多数派である陸上風力の場合、風力発電設備設置に先立ち工事計画を作成し、設置場所を管轄する産業保安監督部に届け出ることが電気事業法によって義務付けられている。この工事計画は、経産省が定めるルールに基づき事前に審査を受けて通過した後に初めて産業保安監督部で受理手続きを踏むことになる。事前審査では風車の型式認証および認証機関による設計の妥当性認証が確認されることが求められている。

しかしこの認証の過程において、実務上、様々な問題があることが指摘されている。風車の型式認証においては、製造プロセスの品質管理審査も含まれているために、風車メーカーにとってはサプライヤーが硬直化しコストも硬直化する問題があり、部品メーカーにとってはサプライヤーへの新規参入が困難になる可能性がある。また発電事業者にとっても、せっかく高効率高性能な最新の知見技術を導入しても、その知見技術が既存の規格基準に未反映である場合は、事前審査で新たな対応を求められ、作業が二度手間になるうえ、場合によっては着工直前のこの段階で事業計画の大幅な練り直しが必要になってしまうという。

そこで、風力の工事計画に関しては、発電設備の設計も含めて従うべきルールや参照するべき知見などを時宜にかなった形で公表することを制度化し、風力発電の事業予見性を確保するべきとしている。そして型式認証に関しては、型式の取得を必須化せず、より弾力的な運用として設計認証およびJIS/ISO認証に基づく品質管理などの併用を、型式認証と等価に扱うことが望ましいとしている。

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