建設現場で自家消費太陽光+蓄電池を用いた実証実験継続【佐藤工業/戸田建設/村田製作所】福島県・再エネ関連技術実証研究支援事業の一環として

佐藤工業(福島市)、戸田建設村田製作所の3社は、福島県内において共同で実施している再エネ・分散型電源を活用した実証実験の経過と今後の予定を発表した。

[画像・上:自家消費用の太陽光パネルは異なる屋根形状に対応する架台を採用した]

実証実験は「再エネ先駆けの地」を目指す福島県の再エネ関連技術の実用化・事業化に向けた「再生可能エネルギー関連技術実証研究支援事業」の一つとして行われている。同支援事業では佐藤工業・戸田建設・村田製作所の他に、ブロックチェーンを用いた再エネ活用を研究開発する会津ラボおよびエナリス、フライホイールとリチウムイオンバッテリーを組み合わせたハイブリッド蓄電システムを研究開発する福島サンケンおよびサンケン電気、太陽光発電所における火災事故原因未然検知システムを研究開発する日本カーネルなども採択されている。

佐藤工業・戸田建設・村田製作所が採択された2019年度採択案件の期間は最長2年間であり、3社は2019年10月から2020年2月まで開発を行った。今般、2020年度に継続事業として採択され、今後1年間をかけて開発案件のビジネススキーム構築を目指す。

建設現場に設置された、村田製作所製の蓄電池-PCS一体型システム

佐藤工業・戸田建設・村田製作所が実証実験を行っていたのは、「建設現場における再エネ活用と移設可能な創蓄システム」だ。震災からの復興を目指す福島県内では現在でも河川や道路など各地で工事が行われている。その建設現場における排出CO2削減と、点在する拠点間の容易な移動・移設という両方の実現を目指した再エネの「創蓄システム」だ。

蓄電池には、村田製作所のグループ会社である東北村田製作所(郡山市)が製造する「福島産」のオリビン型リン酸鉄リチウムイオン二次電池「FORTELION」(フォルテリオン)を採用。この蓄電池にPCSを組み合わせた村田製作所製のオール・イン・ワンと呼ばれている一体型システムを導入することで、一体型ゆえに設置がより容易になった。またこの一体型システムは太陽光発電と蓄電池を同時に使用することが可能で、安定した電源供給が可能になるとのメリットも存在する。

太陽光+蓄電池の組合せで施工エリアの長い河川や道路での工事や、系統からの受電がままならないこともある山間部での工事の現場でも再エネを活用できる。折板葺き屋根や縦ハゼ葺き屋根など異なる形状の屋根でも容易にパネルを設置できるように、専用の架台も開発した。

多拠点一括管理画面

各拠点の太陽光発電と蓄電の状況をクラウドで一元管理するシステムも構築。全国の都道府県で3番目に広い面積を持つ福島県内の各地の状況をデータから把握できる。建設現場の移設時にこのクラウドシステムで必要な作業は専用のリモコンをクラウドに接続することだけだ。

2019年10月からの実証実験では、佐藤工業が施工するミライアルの東北事務所新築工事現場事務所(福島市)、佐藤工業・戸田建設・村田製作所の共同企業体が施工する福島市一般廃棄物最終処分場建設工事現場事務所(福島市)、佐藤工業・伊達支社(福島県伊達市)の3カ所の建設現場で実施した。

この3カ所から取得した発電・充電・放電などの電力データを分析すると、日照時間帯に太陽光パネルで発電した電力は系統への逆潮ゼロで全量を現場で使い切っていることが分かった。また、実証の期間に3カ所で使用した電力の合計のうち、最大で55%を再エネ電力が占めていることも判明している。

継続採択された今年度は、蓄電池システムの増設、取得データの分析による最適稼働制御機能の追加を行い、福島県内はもとより全国の建設現場への展開に向けて実証実験のエリアを拡大、建設現場における再エネの利用拡大を目指す。

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