≪特集「太陽光パネルのリユース・リサイクル」≫⑤近畿電電輸送:電柱リサイクルで培った知見を太陽光パネルで活かす
- 2020/5/27
- 特集
- 新エネルギー新聞2020年(令和2年)05月25日付

近畿電電輸送(大阪府寝屋川市)は昨年、廃太陽光パネルの運搬回収とリサイクル事業の本格展開を開始した。長年にわたり、NTTグループのパートナー企業として、物流事業、電柱(コンクリート柱)の粉砕・リサイクル事業で培ったノウハウを活かす。現在、太陽光パネルガラスの二次商品化のための製造プラントを、八幡リサイクルセンタ(京都府八幡市)に建設中だ。
[画像・上:八幡リサイクルセンタの自動リサイクル装置「ReSola」]
同センタの中間処理設備には、自動リサイクル装置「ReSola(リソラ)」(近畿工業)を導入した。1枚当たり120秒で処理可能で、変形や損壊などパネルの状況を問わずに対応できる。導入にあたっては、環境省の「平成30年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」に公募。厳しい公募条件をクリアして、交付を受けた補助金を活用した。

同社は、リサイクルの取組方針の一つとして、「二次製品化」を掲げている。太陽光パネルガラスは、そのままでは物質や不純物混入などで再利用が難しい。鳥取再資源化研究所(鳥取県東伯郡)の「無害化リサイクル技術」を用いて、多孔質ガラス発泡材を製造する。多孔質ガラス発泡材は、土壌の水分保持力などを高める土壌改良材としての利用や、水中で水質改善を促す微生物の棲み処となる水質浄化材としての利用、または太陽光発電設備の除草材として再利用できる。
また、リサイクルに加え、リユース向けのパネル検査も開始する予定。リユース向けのパネル検査施設も建設中で、これにより、今年7月を目途に、八幡リサイクルセンタに、リユース・リサイクル・二次製品化まで一貫した体制を構築する計画だ。