≪特集「太陽光パネルのリユース・リサイクル」≫⑥新菱(リサイクルテック)封止材EVAを加熱・燃焼処理する技術開発、95%のリサイクル率実現

【⑤近畿電電輸送より続く】

新菱(福岡県北九州市)は、環境リサイクル事業として、新たに太陽光パネルリサイクル事業に取り組んでいる。リコーとの合弁会社リサイクルテック(福岡県北九州市)が新規事業を担う。

[画像・上:新菱方式リサイクル処理フロー]

リサイクルテックは、使用済みOA機器・資源リサイクルを目的に設立された。経産省のエコタウン補助事業として、北九州エコタウン内に拠点を持つ。新事業開始にあたっては、北九州産業学術推進機構とNEDO実証プラントに参画して廃棄PV汎用処理技術を確立、経産省・環境省事業により廃棄PV広域収集網を構築した。

EVA加熱・燃焼処理装置

NEDO実証事業で開発した「新菱方式リサイクル」が処理手法となる。封止材として使用されているEVA(エヴァ)樹脂を加熱・燃焼処理し、ガラス、セル、銅線を回収する。結晶、薄膜、化合物の各種モジュールに対応可能で、95%の高リサイクル率を実現する。加熱・燃焼処理したEVA樹脂は、EVA分解ガスとなり、燃焼熱をサーマルリサイクルして加熱用燃料を80~90%削減できる。「新菱方式リサイクル」処理設備を備えたリサイクル工場は、同エコタウン内に2022年稼働開始で計画している。

新菱は、リデュース、リユース、リサイクルにリライアンス(信頼)を加えた「4R」実現を基盤に事業を展開し、全社で年間22万トンのCO2削減を達成した。新事業で、さらに20万トン追加削減を実現し、社会と共生し、地球環境に貢献する企業集団を目指す。

【⑦水海道産業へ続く】

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