ラオスの981MW太陽光発電所建設受注【翔栄クリエイト】「世界に先駆ける太陽光EPC」日本で磨かれた施工技術活かす

翔栄クリエイト(東京都新宿区)は東南アジア最大規模となる981MW太陽光発電所をラオスで建設する工事を受注し、3月21日にタイのバンコクにてEPC契約に調印したと発表した。同社はベトナムでも100MWのメガソーラーを建設した実績を持つ。日本ではこれまで、FIT制度により、僅か6年ほどで累積56GWあまりの太陽光が導入されてきた。世界でも類を見ない導入スピードを可能にした日本の太陽光EPC技術が、世界に羽ばたこうとしている。

[画像・上:契約調印式にはプロジェクト主催のブルーバーグ、翔栄クリエイトなどコンソーシアム企業が参加し、脱炭素化と経済発展の両立で結束を表明。来賓で王室関係者なども出席した]

タイの大手ファンド運用会社であるブルーバーグのプロジェクトで、ラオス最南部に位置するアタプー県とチャンパサック県に、それぞれ436MWと545MWを建設する。翔栄クリエイトは本工事の実施にあたり、ベトナムの大手ゼネコンであるHAWEE ENERGY合同会社やタイのタイ国際スポーツとコンソーシアムを組成し、リーダーとして設計、工事管理、遂行に当たる。2023年3月末に運転開始予定で、発電した電力はラオス電力公社に売電する。年間発電量は161万8,768MWh。ラオスの約85万7,000世帯分の消費電力に相当する。想定温室効果ガス排出削減量は年間で約53万9,040トンとなる。

太陽光発電所を建設する ラオス南部の位置関係

ラオスの主力電源は国土を貫流するメコン河の豊富な包蔵水力による水力発電で、発電容量の約7割を占める。人口は約700万人で国内需要は少なく、発電した電力の約8割がタイなど隣国に輸出され、経済成長を牽引している。またラオス政府は地方電化のため2011年に再生可能エネルギー開発戦略を採択。2025年までに再エネが総エネルギー消費の30%を占めることを目指しており、太陽光発電、バイオ発電(バイオマス・バイオガス)、風力発電などを推進している。プロジェクトで新設される2カ所の太陽光発電所は、電力輸出量の増大とともに、ラオスの電力消費の再生可能エネルギー化にも寄与する。

今回、翔栄クリエイトがEPCの受注に成功した大きな理由に、2019年に建設したベトナム・メコンデルタ地方の太陽光発電所「ロイヤルベトナムソーラー発電所」の実績がある。ロイヤルベトナムソーラー発電所は出力100MWの太陽光発電所で、同国の時限立法であるFIT制度の適用のため、着工から約4カ月半のスピードで完工に漕ぎ着けた。パネルの納入が書類確認で遅延するなどアクシデントもあり、現地では1枚目の据付を開始して以来600人以上の作業員を連日動員し、ベトナム電力公社との電力販売契約も並行して進めるなど、水際立った手腕を発揮した。その実力を支えているのは、翔栄クリエイトの人材の質の高さだ。現地の事情に通暁する日本人スタッフはもちろん、現地有名大学で土木や建築を学び、英語や日本語を話せる人材をアジア各地からスタッフに採用しており、タイやラオスにおいても現地や再エネに強い人材が所属、プロジェクトを担当することが決定している。

発電所諸元

本プロジェクトでも引き続き、サラワン県とボーリカムサイ県にもそれぞれ436MWの太陽光発電所の基本合意書を交わしており、順次建設工事請負契約を締結する予定だ。

挑戦し続ける翔栄クリエイト

昨年10月に菅内閣総理大臣は2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言した。EU・英はすでに法制化、米はバイデン大統領が公約に盛り込んで当選。中国も昨年9月の国連総会で2060年目標ではあるが脱炭素を表明しており、日本は各国に追いついた格好だ。

IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)は2018年の報告書で、世界の気温上昇を1.5度Cで抑える重要性にも言及、これを受け現在各国は2030年までにCO2排出量を世界平均で45%削減する方向に舵を切り始めた。主要国は次々とNDC(自国が決定する貢献:Nationally Determined Contributions)を引き上げている。EUは2030年に55%以上削減(1990年比)、英は2030年に68%以上削減(1990年比)、また米は4月22日に主催する気候サミットまでに新目標を発表する予定で、大幅な上方修正が予想される。

日本も米と同調する形で、意欲的な数値を示す公算が高い。再エネを40~50%程度まで拡大し、石炭火力をフェーズアウトすれば、2030年45%削減は可能と自然エネルギー財団やWWFジャパンなどが試算している。

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