【年頭所感・2023年:政策③】西村 明宏(環境大臣)
- 2023/1/11
- 特集
- 新エネルギー新聞2023年(令和5年)01月09日付

西村環境相 年頭所感 ポイントと要旨
◆カーボンニュートラル達成に向け2030年までが「勝負の10年」…成長志向型カーボンプライシングを含む「GX10年ロードマップ」を踏まえた対応など推進、脱炭素先行地域の選定や脱炭素化支援機構の活用など
◆循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行に向けた取り組み…循環経済工程表を踏まえ、循環経済関連ビジネスの市場規模を80兆円以上とすることを目指す
◆今年に国内開催となるG7でイニシアチブを…COP27において日本主導で立ち上げた「パリ協定6条実施パートナーシップ」や二国間クレジット制度を通じて「アジア・ゼロエミッション共同体構想」なども踏まえ、環境分野の国際的な取り組みで存在感発揮へ
明けましておめでとうございます。新たな年を迎え、国民の皆様の御期待に応えられるよう決意を新たにし、環境行政を前に進めてまいります。
今年はG7が日本で開催されます。昨年の気候変動枠組条約COP27や生物多様性条約COP15、海洋プラスチックごみ対策に関する国際条約作成に向けた政府間交渉委員会(INC1)の第1回会合の成果を踏まえ、これまで環境省が蓄えてきた知見を活かし、環境分野における国際的な議論をG7においてもリードしてまいります。また、COP27において我が国主導で立ち上げた「パリ協定6条実施パートナーシップ」や二国間クレジット制度を通じて「アジア・ゼロエミッション共同体構想」の実現に向け環境省としても貢献してまいります。
また、東日本大震災・原発事故からの復興・再生については、福島県内で生じた除去土壌等の中間貯蔵開始後30年以内の県外最終処分という約束を果たすべく全力で取り組むとともに、未来志向の取組も展開してまいります。ALPS処理水については、海域環境のモニタリングの実施等を通じ、風評払拭を図ってまいります。
炭素中立(カーボンニュートラル)の達成に向けては、昨年末に成長志向型カーボンプライシングを含む「GX10年ロードマップ」が取りまとめられました。2030年までが「勝負の10年」という強い危機感を持ち、取組を進めてまいります。脱炭素先行地域の選定や脱炭素化支援機構の活用、「脱炭素に繋がる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」の展開などを通じ、地域・くらしの脱炭素化を進めてまいります。
循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行に向けては、昨年策定した循環経済工程表も踏まえ、2030年までに循環経済関連ビジネスの市場規模を80兆円以上とすることを目指し、プラスチック資源循環法に基づく取組や、金属リサイクルの倍増、持続可能な航空燃料の利活用、サステナブル・ファッションの推進、食品ロス対策などを進めてまいります。
自然再興(ネイチャーポジティブ)の実現に向けては、COP15で決定した2030年までに陸と海のそれぞれ30㌫以上を保全する「30 by 30目標」などの新枠組を受け、今年は、国内施策の指針となる次期生物多様性国家戦略を策定した上で、30 by 30ロードマップに基づく取組、自然を活用した防災・減災、ビジネスにおける生物多様性の主流化などをより一層進めてまいります。
また、環境省の不変の原点である公害健康被害の救済・補償、子どもの健康と環境に関する全国調査、熱中症対策の更なる強化に向けた制度改正、PFAS(有機フッ素化合物)対策など、人の命と環境を守る取組を着実に進めてまいります。さらに、水道行政の環境省への一部移管に向けて、しっかりと準備を進めてまいります。
原子力防災に関しては、関係自治体や関係省庁と緊密に連携して、各地域の原子力防災体制の更なる充実・強化を図り、原子力災害対応の実効性向上に取り組んでまいります。
本年は第六次環境基本計画の策定に向けた検討がスタートします。炭素中立・循環経済・自然再興の同時達成に向けた取組を更に加速化し、持続可能性を巡る様々な社会課題と経済成長の同時達成により、「新しい資本主義」の実現に繋げてまいります。
関係者の皆様と益々連携を深めながら、全力で環境行政を推進してまいりますことをお約束申し上げ、新年の挨拶とさせていただきます。

