「再エネ地域共生」でBIPVが担う重責 「スマエネ<春>」展で特設コーナーも設置
- 2025/2/19
- 特集
- 新エネルギー新聞2025年(令和7年)02月17日付

太陽光発電のさらなる普及・拡大に向け、建築物に従来の建材の代替として取り付け可能な建材一体型太陽光発電(BIPV:Building Integrated Photovoltaics)システムが注目を浴びている。
[画像・上:パナソニックがペロブスカイト太陽電池を用いて開発している「発電するガラス」(提供:パナソニック)]
今般開催される展示会「SMART ENERGY Week」内でも、BIPV技術に特化した展示やカンファレンスを行う特別企画「BIPV WORLD‐建材一体型太陽光発電ワールド‐」が実施される。
民間の市場動向調査会社である富士経済は昨年9月、BIPVなど新しい動きが見られる太陽電池と関連市場を調査し、その結果を「2024年版 太陽電池関連技術・市場の現状と将来展望」にまとめた。
富士経済によるとBIPVは、日本では世界に先行して住宅用に導入されている。2021年度ごろから大手ハウスメーカーが大容量BIPVと蓄電システムを標準搭載した新築戸建住宅の販売を増やし、市場が拡大してきた。建材別では新築住宅向けの屋根材一体型が大勢を占める。政府は2030年までに、新築住宅の太陽光発電設備搭載率6割を目標としている。そのため特に搭載率の低い狭小住宅で、BIPVなどの導入促進が見込まれる。また4月からは東京都の新築住宅での太陽光発電設備の設置義務化が開始されるなど、地方自治体による普及促進政策が広がりつつあるため、市場は拡大基調で推移するとも予想される。
非住宅用は欧州が先行しており、日本では一部の先進的な建築物で導入されているものの、市場への影響は限定的となっている。政策目標では新築公共建築物などのZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化について言及されており、中長期的には公共施設からBIPV導入が浸透し、脱炭素対策ニーズの高い大手企業などの民間施設へ広がると期待される。