《【特集】太陽光パネルリサイクル2025》TOPIC②:太陽光パネルリサイクル法案、今国会の提出は見送り その経緯と背景
- 2025/7/7
- 特集
- 新エネルギー新聞2025年(令和7年)07月07日付

「拡大生産者責任」の制度への落とし込みの在り方など巡り内閣法制局と意見相違
[本法案成立後に設立が予定されているパネルリサイクル認定事業者と、従来の認定リサイクル事業者の違い(資料:経産省/環境省)]
経済産業省と環境省の小委で議論されてきた、パネルリサイクル制度の法制化。2025年3月には同小委で意見取りまとめが行われ、経産大臣・環境大臣の承認を経て内閣に提出されたが、内閣法制局での検討の結果、6月まで開催されていた今通常国会には内閣法案として提出されなかった。武藤容治経産相・浅尾慶一郎環境相双方がその事実を認めている。

大臣らの発言からまとめると、法制局が法案の課題として指摘したのは、リサイクル費用の負担者に関する他のリサイクル制度との整合性の無さ、及び、想定するリサイクル費用などに関して太陽光パネルの多用な設置形態や廃棄・リサイクルの実態反映の度合いの薄さ、などとなる。
まず、本制度・法案でリサイクル費用は「拡大生産者責任」の考え方の下、製造者などを負担対象とした。拡大生産者責任とは、生産者が自ら生産する製品について、適正なリサイクルや処分含めてライフサイクルで一定の責任を負うという考え方だ。

家電リサイクル法や自動車リサイクル法など既存のリサイクル関連法でも拡大生産者責任の概念が用いられているが、これらの法律では、費用負担者である製造者がリサイクル費用を製品=製造物に適正に価格転嫁することまで規定している。
パネルリサイクル法案にはそこまでの規定は盛り込まれていない。その代り、「リサイクル費用が下がれば(発電事業者が)十分対応できる」(浅尾環境相)ようになることから、経産省と環境省は「太陽光パネルを引き取り、一定水準以上のリサイクルができる事業者」の認定と、「当該事業者に対して引取り及びリサイクルの実施を求める制度」を、この法案を基に新設する方針を持っていた。

この根底には「ライフサイクルが20~30年と長期間で、海外製造業者のシェアが高く、廃棄時に製造者が存在しなくなる可能性がある」太陽光パネルビジネスにおいても高度にリサイクル体制を構築するという両省の方針がある。そして法案が成立した後に、認定事業者制度に加えて発電設備情報の一元化や資金不足による放置対策含めた総合的な費用確保の仕組みなど、付随する各種制度を制定してリサイクル制度を政策パッケージで推進していくのが経産省と環境省の思惑だった。
法案で「制度的検討と並行して、太陽光パネルのリサイクル費用低減・体制整備を加速する」(浅尾環境相)、新たな取り組みに踏み出そうとする経産省・環境省と、法体系の一貫性を重要視する法制局の見解。すれ違う双方の落としどころはどこなのか、現時点では見えてこない。経産省と環境省の関係者は「法案の提出はできるだけ早い時期にしたい」と繰り返している。

