《【特集】太陽光パネルリサイクル2025》TOPIC④:パネルリサイクルの新たな動き ~「水平リサイクル」

サーキュラーエコノミー(循環経済)は、資源を効率的に循環させ、持続可能な社会を目指す経済システムだ。従来の大量生産・大量消費・大量廃棄のリニアエコノミー(線形経済)から脱却し、資源を可能な限り循環させて使用することを重視している。

太陽光パネルのリサイクルにおいて、サーキュラーエコノミーを志向した「水平リサイクル」に向けた取組が目立つようになってきた。廃棄物の削減に加え、製造に必要な天然資源の採掘量や製造に必要なエネルギーの削減、さらには、それに伴うCO2排出量の削減が期待できる。

ハイブリッド方式による板ガラス向け水平リサイクルを実現(AGC資料)

浜田は、ホットナイフ方式による分離方式と同社の高圧水噴射技術を組み合わせることで、板ガラス向けの水平リサイクルを実現した。

ホットナイフ方式により分離した太陽光パネルのカバーガラス表面に残存する接着部材を、高圧水噴射技術により完全に除去することに成功。AGC横浜テクニカルセンターにおいて、このカレット約10㌧を原料の一部として、建設用型板ガラスを製造し、精製されたガラスカレットの品質基準が板ガラス原料として活用可能であることが確認された。

リクシアが提案するリユース・リサイクルの形

また、セントラル硝子プロダクツ(三重県松阪市)においても、浜田が分離・回収した使用済み太陽光パネルのカバーガラス20トンを原料の一部とした網入り磨き板ガラスの試験生産に成功した。6月より継続的な水平リサイクルが開始されることとなった。

浜田は、受け入れた製品のうち、まだ使用できるものについてはリユース品として販売している。しかし、中国や台湾などの海外製の新品太陽光パネルが非常に安く、リユース品の売り先がないことが最大の課題となっていたことを背景に、丸紅と共同出資をし、リクシアを立ち上げ、使用済み太陽光パネルを売りたい方、買いたい方、処分したい方を繋ぐプラットフォームを提供している。

[画像・上:使用済み太陽光パネルの資源循環と協業する3社の役割分担イメージ]

TREホールディングスは、グループ傘下の信州タケエイ(長野県諏訪市)が2022年から、中核子会社タケエイのサーキュラーエコノミー推進本部(旧タケエイ相馬事業所、福島県相馬市)が2024年から、太陽光パネルリサイクル事業に取り組んでいる。2カ所合計で、1日約13トンの処理能力を有している。

同社はこのほど、関西電力およびトクヤマと、使用済み太陽光パネルのリユース・リサイクルに関する協定書を締結。3社は、高度な資源循環システムの構築を目的に、トクヤマの低温熱分解リサイクル技術を用いた太陽光パネルの「水平リサイクル」を軸とする事業モデル構築に向けた検討を行う方針だ。

また、タケエイと同じく、TREの中核子会社であるリバーと東芝エネルギーシステムズ、東芝環境ソリューションは、このほど竣工したリバー壬生事業所に使用済み太陽光パネルを用いた自家消費型太陽光発電システムを導入し、リユースパネルの有効性について共同で実証を行っている。

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