《【特集】太陽光パネルリサイクル2025》TOPIC①:進む企業の事業化・対応急ぐ自治体・足踏みする国の法制度化
- 2025/7/7
- 特集
- 新エネルギー新聞2025年(令和7年)07月07日付

太陽光パネルの適正な廃棄・リサイクルのための制度的対応は喫緊の課題である。
[画像・上:太陽光パネルのリサイクルフロー(資料:経産省/環境省)]
国内の太陽光パネル廃棄は、出力低下およびFIT買取期間終了により、2030年代半ばから顕著に増加する。エネルギー行政を所管する経済産業省と、環境・廃棄物行政を所管する環境省によると、災害で被災したパネルや不具合パネルは含めず、最大毎年50万トン程度まで達する見込み。パネル換算で約3,000万枚となり、その全てが直接埋立処理された場合、最終処分場の約5%(2021年度比)を占めることになる。
不要となったパネルが発生した場合、使用可能であれば「リユース」することで、廃棄量を減らすことができる。リユースパネルは、環境省が定めるガイドライン要件を満たした診断により、健全状態(発電性能・安全性)を評価することが重要だ。このパネル健全性評価に関しては、東芝環境ソリューションが外観検査/IV性能/EL性能/耐電圧性能、絶縁性能を検査する「PVパネル診断サービス」を提供している。

しかしながら、現状においては、リユースを検討せず産廃処理したり、リサイクルからリユース品を抜き出す際に廃掃法上や各県市町村での対応方法に差があるなど、課題が多い。また、リユース品には、太陽光発電設備に申請可能な補助金が使用できない点も指摘されている。
表面ガラスの割れや変形などで発電機能に支障をきたす恐れがあるパネルは、「廃棄物」と見なされ、廃棄物処理法に則って処理される。太陽光パネルには、アルミや銀のほか、重量の6割を占めるガラス、プラスチック、シリコンなどが使用されている。
アルミや銀は資源として活用される一方で、ガラスは「ガラスくず」にされてから、多孔質ガラス発泡材やガラスウール、インターロッキングブロック(舗装ブロック)用骨材などにリサイクルされる。セルシートに使用されている銀以外に、銅や鉛も回収できるが、シリコンの回収は経済性の点で困難である。
(一社)太陽光リユース・リサイクル協会は、適正なリサイクルを目指した課題解決として、「サーキュラーエコノミーを実現できるようにリサイクルに誘導するような制度・補助金などが必要」と提言を行った。
こうした状況を踏まえ、技術開発や利用用途の開拓に取り組むと同時に、制度を確立してリサイクルをさらに推進していくため、経済産業省と環境省は昨年9月に太陽光パネルのリサイクル制度の在り方を検討する「太陽光発電設備リサイクル制度小委員会」を設置した。リサイクル義務化が検討されている。

