≪インタビューシリーズ:脱炭素経営に歩み出した日本企業「積水ハウス」≫「顧客からの買電で2030年代にRE100達成へ」
- 2018/9/21
- 総合
- 新エネルギー新聞2018年(平成30年)09月17日付

積水ハウスは2017年10月、「RE100」へ加盟し、2040年までに事業活動で使用する電力の100%を再エネ電力にすると発表した。その際、2019年から終了する家庭用太陽光発電設備の余剰電力買取について、自社で設置した発電設備から再エネ電力の調達を検討しているとした同社。「2020年までにハウスメーカー等の建築する注文戸建住宅の過半数でZEHを実現する」という政府目標に対し、同社のZEH比率は2018年度上半期で79%と大幅に上回る。積水ハウスが再エネとZEHで目指すものについてうかがった。
[画像・上:瓦一体型の太陽光発電パネルを導入した住宅イメージ]
―2008年に「脱炭素宣言」をしています
積水ハウスのミッションは、住まいによって幸せな人生を提供することです。安全、安心、健康、快適さ。個々の住宅でお客様に安心や安全を提供できたとしても、気候変動で干ばつや災害が発生して世の中全体が持続可能でなくなれば、幸せな暮らしはできません。だから当社は地球環境を重視し、温暖化防止に取り組んでいます。
当社は1999年に「環境未来計画」を発表し、未来に責任を持つ姿勢を示しました。これを受け工場と建設現場のゼロエミッションを達成しています。温暖化防止については、まず2005年に京都議定書を遵守する「サステナブル宣言」をしています。2008年には洞爺湖サミットでの2050年までにCO2を60~80%を削減するという政府目標に対し、住宅産業として貢献するため、住宅のライフサイクルCO2排出ゼロを目指す「2050年ビジョン」を発表し、脱炭素を宣言しました。
CO2排出における住宅・建築メーカーの責務は大きく、世界的な人口増加により建築物によるエネルギー消費は今後も増大します。そのため当社は、2015年のパリ協定で建物分野のビルディングアライアンスにも調印しています。2017年にはRE100に加盟、2018年にはSBTも認定されました。
―ZEHの普及を推進しています
住宅のライフサイクルでのCO2排出は、人が住んでからが大きな割合を占めます。ビジョンを達成するため、翌2009年には1990年比でCO2の50%削減モデル住宅「グリーンファースト」を発売、2013年にはZEH「グリーンファーストZERO」に進化させました。これは2014年の、政府の2020年ZEH標準化の発表を先取りした動きです。
当社の2017年度の新築戸建て住宅のZEH比率は76%、累積棟数は3万5,881棟です。ZEHは高断熱性、省エネ性能、そして創エネによって、居住時のCO2排出を削減します。当社の新築住宅では、1990年比で年間CO2排出量を8割削減しています。
―どうしてそんなに多くのZEHを販売できるでしょうか
当社はお客様のご要望にお応えした住まいをZEHにします。ZEHという商品はありません。「どのようなお住まいをご希望ですか」とお尋ねします。すべてのモデルでZEHに対応しているので、お好きな外観、間取りなどを選んでいただきます。そのために当社は、屋根の形状に合わせて設置できる瓦型の太陽光パネルを2003年に開発しています。例えばエネルギー効率を重視すれば窓は小さいほうがいいですよね。でも庭と一体となった大きな窓は暮らしを快適にします。屋根の形もライフスタイルや敷地に合わせて快適な住まいを選んでいただいて、ZEHを実現します。
2020年度にZEHの受注比率を80%にすることを目標にしていますが、もっと早く達成したいと考えています。実際、新築の100%でZEHを実現しているエリアもあります。日照などの条件がありますので、全部の新築住宅をZEHすることは難しいのですが、ZEH比率を引き上げることで、機器のコストダウンや性能向上を促進し、業界を牽引していく存在でありたいと思っています。


