≪インタビューシリーズ:脱炭素経営に歩み出した日本企業「花王」≫自家消費設備導入やグリーン電力証書活用で自社の活動を推進しつつ、ステークホルダーにも「脱炭素」参加呼びかけ

1月の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で発表された世界で最もサステナブルな企業100社を選ぶ「2020 Global 100」で、対象の約7400社の中から2年連続でトップ100に選定された花王。同社は持続可能な暮らしを消費者に提供するためのESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」を推進しており、その一環として自家消費型太陽光発電設備の設置やCO2排出量ゼロ電力の購入を進めている。気候変動対策と再エネ導入について、ESG部門ESG活動推進部部長の柴田学氏にうかがった。

インタビュイーとしてご対応いただいた花王株式会社 ESG部門 ESG活動推進部部長の柴田学氏

[画像・上:使用電力が100%再生可能エネルギー化された花王愛媛工場]

花王は世界の人々の喜びと満足のある豊かな生活文化を実現するとともに、社会のサステナビリティに貢献することを使命としています。今の世代だけではなく将来世代にわたっても貢献するためには、気候変動対策は重要な活動だと考えています。具体的には2005年に当社の製品ライフサイクルのCO2排出量について解析しました。すると直接工場などから排出するCO2、いわゆるスコープ1、2は10%に満たず、製品のライフサイクル全体でCO2を削減する必要があるとの認識に至りました。そこで2009年に「環境宣言」で、お客さま、ビジネスパートナー、社会といった様々なステークホルダーと“いっしょにeco”で取り組むことを表明しました。

―お客さまとのCO2削減の取り組みとは

当社の主力製品は洗浄剤です。洗浄剤の特徴として、水の使用がCO2排出と深く関わっていることが挙げられます。特にわかりやすい例はシャンプーで、製品ライフサイクルでの水の使用量の約90%をご家庭で使用します。製品ライフサイクルのCO2排出量では、浄水場で排出するCO2、かつ下水処理場のCO2が計上されます。またシャンプーを使うのは主に入浴時ですので、湯を沸かすCO2も含まれます。実はこのガスなどの給湯で排出するCO2の割合が製品ライフサイクルでは一番大きいのです。そこで使用段階の節水に寄与できる高機能製品をお客さまにお届けし、CO2を削減しています。

―ビジネスパートナーとはどのような取り組みを

製品ライフサイクルでのCO2排出量では、サプライヤーによるものが約35%を占めています。まずは当社の環境に対する考えをご理解いただいて、同じ方向での活動をお願いしています。そのうえで全てのサプライヤーを対象に、当社の調達ガイドラインに沿った簡単な調査を行っています。また重要なサプライヤーに対しては、当社は「CDPサプライチェーンプログラム」に参加していますので、CDPから送付される質問書へ回答していただき、気候変動、水および森林についての情報開示を求めています。そうした取組状況から独自の評価を実施してフィードバックを行い、サプライヤーのCO2削減を後押ししています。

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