≪新エネルギー企業リポート≫マテリアルワークス:レドックスフロー電池を自社開発 素材商社としての強み活かして

合成ゴム・プラスチックなどを扱う素材商社のマテリアルワークス(東京都千代田区)が、レドックスフロー電池の開発に着手したのは6年ほど前。独フラウンホーファー研究機構のセル技術に出合ったことがきっかけだった。薄く、セルスタックの体積を小さくすることができる。「セル以外は化学の領域。素材商社としての強みを生かせると思った」と代表取締役の加藤勇治氏は話す。同機構とはセルの国内独占販売契約を結んでいる。

[画像・上:レドックスフロー電池のモックアップ]

レドックスフロー電池は充放電反応を行うセル、活物質を含む電解液を貯蔵するタンク、電解液を循環させるポンプと配管から構成される二次電池だ。充放電は活物質イオンの酸化還元反応によるもののため、電解液が劣化しない。また反応はイオン交換膜で仕切られたセル内の電解液中で生じるため、電極もほとんど劣化がない。そのため長寿命で、材料が不燃性であり常温運転のため安全性にも優れている。こうした特長から、メガワット級以上の大容量定置用蓄電池としての普及が見込まれてきた。

実は同社が狙うのは、出力30kW、容量300kWhといった、レドックスフロー電池では未開拓の市場だ。フラウンホーファー研究機構のセルスタックによって、小型化を実現。出力部のセルと蓄電容量部であるタンクが独立しているため柔軟性の高い電池設計が可能で、仕様によってはリチウムイオン二次電池と比較して価格面で優位に立てる。本年12月の生産開始を予定。すでに多くの引き合いがある。

活物質に使用するバナジウムはレアメタルだが、世界各国にネットワークを構築している同社には豊富な入手経路がある。加えてバナジウムは微量だが原油にも含まれ、石油燃焼ボイラーの煙媒などからも回収される。同社ではこうした化石燃料から再資源化されたバナジウムを、積極的に利用したいと考えている。

「レドックスフロー電池の電解液は劣化することがなく、バナジウムも化石燃料からリサイクルできる。環境負荷が低いメード・イン・ジャパンのバッテリーを、持続可能な社会に貢献するため提案していきたい」と加藤氏は意気込みを語った。

マテリアルワークスのみなさん
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