地域一体となった木質バイオマス熱電併給の実践的な研究事業を群馬県渋川市で展開へ【フォレストエナジー】廃校となった小学校校舎を舞台に
- 2020/5/18
- バイオマス
- 新エネルギー新聞2020年(令和2年)05月11日付

廃校になった群馬県渋川市の小学校校舎を拠点とした、木質バイオマスによる熱電併給の研究開発が始まる。渋川市の廃校施設利活用事業で、その事業者としてフォレストエナジー(東京都品川区)がこのほど採択された。
[画像・上:「渋川バイオマスエネルギープロジェクト」が展開される旧・渋川市立上白井小学校]
事業名は「渋川バイオマスエネルギープロジェクト」。2014年3月末で閉校となった旧・渋川市立上白井小学校に「フォレストエナジー渋川バイオマス研究所」を設立し、研究開発を行っていく。
旧・小学校の校庭に設置されるのはフィンランドのコージェネであるヴォルターや、バイオマスガス化乾燥装置(乾燥木質チップを製造配送)など。水素製造装置化の検討も行われる予定になっており、最先端の木質バイオマス熱電併給設備が導入される。なお全国で稼働しているヴォルターの設備オペレーションセンターおよび研究拠点としての機能も兼ねることになっている。本事業で必要な人員は地元を中心に雇用する。

製造される電気は平常時にはFIT制度を活用して売電されるが、災害停電時には指定避難所になっている旧・小学校に供給できる、オフグリッドシステム構築も検討される。使用する燃料には間伐材に加えて、竹や稲わら、野菜残渣、剪定枝、芝生などの地域資源、または地域で対応に苦慮しているバイオマスを有効活用する研究も行う。
渋川市の基幹産業の一つである農業との連携も行う。同校庭にはNTTファシリティーズが1~2a程度の小規模イチゴ栽培ハウスを建設。ハウス内では温湿度やCO2濃度日射量などをセンシングし管理することで高付加価値なイチゴ栽培を目指す。そしてハウスに必要な熱はコージェネから供給される。

また「渋川産」のウナギやエビなどの実現を目指した陸上養殖に必要な熱の供給も研究開発が予定されている。また、コージェネから生成されるバイオ灰について、農業などへ有効活用を他の大学など研究機関と共同開発する計画も立てた。
現在、既に旧・渋川市立上白井小学校の校舎内にはフォレストエナジーの渋川オフィスや地域交流スペースが設置されている。フォストエナジーは地域と一体となった木質バイオマス利活用を推進しており、秋田県や宮崎県で地域資源を活用した木質バイオマス発電事業を実現した実績を持つ。宮崎県都農町では「分散型エネルギーマスタープラン」「分散型エネルギーマスタープラン」の策定に参画し、その実現に向けて現在は具体的なまちづくりを進めている。

