洋上風力のメンテを支援する船舶の賃貸契約締結【商船三井グループ】台湾・900MW洋上風力で運用へ

商船三井が台湾の洋上風力におけるメンテナンス支援事業に乗り出す。商船三井と、台湾の船主・船舶管理事業者である大統海運は、両社の合弁会社である大三商航運股份有限公司を通じて、世界最大の洋上風力発電事業者であるデンマークのオーステッド社の100%子会社・オーステッド台湾と4月1日に契約を締結した。

[画像・上:SOVの外観イメージ(提供:商船三井)]

大三商が今般締結したのは、台湾中西部の彰化沖35~60kmに位置するオーステッドの洋上風力発電所プロジェクト、「大彰化洋上風力発電所」(900MW)のメンテナンス時に運用する船舶、サービス・オペレーション・ヴェセル(SOV)の定期賃船に関する用船契約だ。

SOVとはメンテ作業の支援に特化した専用船だ。メンテ技術者を複数の洋上風車に派遣するために多数の宿泊施設を持ち、帰港することなく洋上で一定期間の活動を可能にする。SOVの船舶と洋上風車との間に常時安全な離隔距離を保つためのダイナミックポジショニングシステム(DPS:自動船位保持機能装置)、船舶から洋上風車プラットフォーム上に技術者を安全に渡すために波動などの船体動揺を吸収するモーション・コンペイセイション機能を持つ特殊なギャングウェイ(橋)など、洋上風力のメンテ遂行のための数々の機構を持つ。

大彰化洋上風力発電所の位置イメージ(提供:商船三井)

遥か沖合に位置することもある洋上風力のメンテは集約的・計画的に実施するのがコスト抑制のために不可欠であり、そうしたメンテを実現するにあたってSOVは重要な要素となる。洋上風力の開発が進む欧州では普及しているSOVだが、2035年までに15GWを超える洋上風力の導入が有力視される台湾を中心に、今後はアジア圏でもSOVの需要の拡大が見込まれている。本件は台湾およびアジアで初のSOV事業となった。

加えてこの定期用船契約締結と同時に、大三商はノルウェー造船所のヴァルドの100%子会社であるヴァルド・シンガポールとの間で大彰化洋上風力発電所のメンテに投入する新造SOVの建造に関する造船契約も締結した。SOVはヴァルド傘下のベトナムの造船所で2022年上半期に竣工予定。その後、同洋上発電所で15年間、最大20年間メンテナンス事業支援に従事する。

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