「これからの地域熱供給」のためのガイドブック発表≪第4世代地域熱供給フォーラム≫再エネ熱普及がもたらす複合的なメリットを解説

デンマーク関係機関との協力のもと2018年10月に設立された「第4世代地域熱供給フォーラム」(4DHフォーラム、座長=中田俊彦・東北大学大学院教授)は、構成する研究者・行政・NGO・企業などが自然エネルギーの熱(いわゆる再エネ熱)に関する政策の実現や熱利用の普及のための調査・研究・意見交換・交流を行う場だ。事務局は認定NPO法人環境エネルギー政策研究所(ISEP)が務めている。パリ協定の実現に向けたEU温熱ロードマップの基礎を担ったデンマーク・オールボー大学とその関連機関が提唱する「第4世代地域熱供給(4DH)」について、直接的な交流、国内外での会議への参加や研究会・ワークショップなどを開催することで知見・経験の共有を図るとともに、国内での自然エネルギー熱利用普及のためのネットワーク形成や知見の共有を目指している。

その4DHは今般、日本国内において脱炭素化や自然エネルギー100%を目指すための自然エネルギーの熱・再エネ熱政策の実現や熱利用の普及のための指針となる「第4世代地域熱供給4DHガイドブック」を作成した。ガイドブックの発行はISEPで、作成にあたっては(独法)環境再生保全機構地球環境基金の活動助成を活用した。

デンマークにおける近代的な地域熱供給は19世紀末から始まった。ここから1930年代までの地域熱供給が第一世代、1930年代から1980年代初頭までが第二世代、それ以降の現代までが第三世代と呼ばれている。

第三世代までは熱源として化石燃料を中心に用いているが、その間に石炭からLNGへ転換することで、熱の供給温度は第一世代の200℃(蒸気)から100℃以下(高温水)への低温化の進化を遂げてきた。これからの時代を担う4DHでは熱の温度をさらに50℃程度にまで下げる。低温化により供給先および熱源両方の多様化や関連設備の軽減化が可能となり、熱供給システム全体の効率も向上することが期待されている。

さらにこれからの時代のエネルギーでは再エネを避けて通ることはできない。そして4DHの低温化(低熱量化)は再エネ・分散型エネルギーと親和性が高い。本ガイドブックでは、4DHの定義の一つとして熱・電双方向の「スマート化」が述べられている。電力市場を介した熱電市場の連動によって、熱源であるコージェネの電力市場連動、温水タンクの「蓄電」による需給調整、ヒートポンプによる電熱転換による風力電力の温水化などが進む。これらによって、効率化・再エネ活用、さらには電力市場と統合したスマート化も期待できるとしている。

ポストFITに踏み出しつつある日本の再エネでも、従来型の売電ではない再エネの自家消費とその有効活用の手段としての受給一体型モデルが注目されている。そしてその中で、最終エネルギー消費の5割を占める熱分野における再エネ活用の方法が模索されるのは効率の面から言えば必然的だ。本ガイドブックでは日本の規制による地域熱供給事業への参入障壁の高さも指摘されているが、その一方で4DH・地域熱供給と再エネ・分散型エネルギーが融合することのメリットと方法が数々の実例と検証によって示されている。全25ページのこのガイドブックは以下のURLから全文をダウンロードできる。
https://www.isep.or.jp/4dh-forum/4dh-guidebook

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