新エネルギー財団「導入促進に向けた提言」まとまる③廃棄物発電システム

廃プラ適正処理や地域の拠点化を通じた「都市型バイオマス」の有効活用

③廃棄物発電システム ◆廃棄物発電委員会:委員長=田中一幸・(一財)日本環境衛生センター東日本支局 環境事業本部環境事業第一部 次長

(一財)新エネルギー財団が3月にまとめた、令和元年度(2019年度)の再エネ・分散型電源に関する「新エネルギーの導入に関する提言」。その中には廃棄物発電分野の提言もある。なお提言の全文は以下の新エネルギー財団のWebサイトからダウンロードすることができる。
https://www.nef.or.jp/introduction/teigen/te_r01.html

可燃物の焼却処理時に発生する熱でタービンを作動させて発電する手法が主流の廃棄物発電は、廃棄物の衛生的な処理という従来の観点のみならず、エネルギー需給構造の観点から都市部に賦存する未利用エネルギーの有効活用を可能にする「都市型バイオマス」としても位置付けられる。

一般廃棄物処理に占める焼却処理割合は約80%に達しており、その潜在能力は年間約4,600GWhにのぼるといわれている。また、高度成長期の裏側で発生してしまった公害問題に対処するべく技術開発を進めた結果、日本の廃棄物発電技術は世界に競争力を持っており、輸出による産業振興も期待されている。

2018年6月に閣議決定された廃棄物処理施設整備計画において、廃棄物発電を中心とした自立・分散型の地域エネルギーセンターとしての役割が位置付けられ、廃棄物発電などのエネルギー回収推進の重要性が示された。さらに2019年5月にはプラスチック資源循環戦略が策定され、2035年までにすべての使用済プラスチックを熱回収も含め100%有効利用するという目標が示された。廃プラ対策として「廃棄物発電が果たすべき役割は非常に大きい」と本提言は述べる。

今回の提言は②系統接続や③余熱の活用もあるが、最初の①「廃棄物発電施設における設備利用率向上と地域の廃棄物の混合処理推進を」は、廃棄物発電の運用そのものに関する提言が中心となっており、本稿ではこれに注目する。

これによると、廃棄物発電設備は技術ポテンシャルからすると設備利用率が低く、能力を十分に活用できていない運用の現実があるという。この課題解決のために、まずは処理量規制の弾力的運用が提言されている。

廃棄物発電施設においては、ボイラは高質ごみを設計点として MCR(Maximum Continuous Rating:ボイラ最大連続蒸発量)を決めており、蒸気発生量がMCRを越えない範囲で運用が行われ、入熱量に歯止めがかかっている。そこで、MCRで管理を行う廃棄物発電施設おいては、廃棄物処理法に基づく処理量の基準を弾力的に運用するもしくは処理能力変更手続きを簡素化するなどにより「通常運転時の入熱量を増やし、廃棄物発電施設の余力の活用を推進することが望まれる」としている。

また、地域のエネルギーセンターとして、地域特性に応じて、他のインフラ(下水処理施設、し尿処理施設など)の排出物の処理および農作物非食用部や林地残材などの廃棄物系バイオマスの有効利用に廃棄物発電施設の余力の活用を推進すること、都道府県の枠を超えた地域ブロックの協議会を活用して、熱回収設備の充実した大規模廃棄物発電施設に廃棄物処理を集約するための協議を行い、広域処理・施設集約化を推進し、施設の余力活用とともに熱利用を促進することも併せて提言されている。

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