電動船舶・電動自動車の共同事業体が相次いで設立 交通部門のGHG排出削減目指し
- 2020/6/12
- 蓄エネ
- 新エネルギー新聞2020年(令和2年)06月08日付

交通機関の動力源として、蓄電池の電気エネルギーの活用を目指す企業群の協働の取り組みが、この5月に続けて2件始動した。
まずは船舶の電化に向けた動きだ。ゼロエミッション電気推進船(EV船)の開発・実現・普及に向けて共同事業体「e5(イーファイブ)コンソーシアム」が設立された。なおe5の名称は、「海運業界における「electrification(電気化)」・「environment(環境)」・「evolution(進化)」・「efficiency(効率)」・「economics(経済性)」の5つのバリューを実現することで、安心・安全・良質な輸送サービスを社会に提供する」との理念を意味する。
e5は旭タンカー、出光興産、エクセノヤマミズ、商船三井、東京海上日動火災保険、東京電力エナジーパートナー、三菱商事から構成される。電化による海運事業からの温室効果ガス(GHG)排出削減に加えて、EV船を基礎とする革新的な海運インフラサービスを提供するプラットフォームを共同で構築することで、船員不足・船員の高齢化・船舶の老朽化など内航海運が抱える構造的な課題の解決にも挑む。
[画像・上:ゼロエミッションEVタンカーのイメージ]
e5の最初の取り組みとして、大容量リチウムイオン二次電池を動力源とするピュアバッテリータンカー2隻を就航させる。船の基幹エネルギーシステムを完全電化することで、内燃系を動力源とする船舶から排出されるCO2・NOx(窒素酸化物)・SOx(硫黄酸化物)、煤煙などのエミッションがゼロになる。加えてお騒音や振動が内燃系より抑制されることで、乗組員や港湾周辺環境に配慮した船舶にもなる。
同EV船は各種自動化設備やIoTを含む様々なデジタルツールも採用することによって、乗組員の船内労務の負担軽減と運航効率の向上を実現する設計も持つ。予定では2022年3月から2023年3月にかけて順次竣工し、東京湾内に就航する。
いっぽう、電動自動車(xEV)の事業共同体も設立された。電動業務用車両の普及を目指す「電動車活用推進コンソーシアム」だ。NTTグループ、日立製作所、リコー、東京電力ホールディングスによって設立され、設立時点でトヨタ自動車や本田技研工業などの自動車メーカー、関西電力や中部電力などの旧一般電気事業者ほか、金融機関・保健会社、電機メーカー、経済産業省・国土交通省・環境省、さいたま市など合計40事業者が会員に名を連ねている。
車両の電動化を通じて、社会の諸課題を解決し持続可能な社会の実現を目指すのがコンソーシアムの大目標だ。今後、車両仕様の共通化を目指した業務用車両の電動化に関する課題共有や、環境価値の付与による交通領域の脱炭素に向けた検討、災害時のxEV活用方法などの情報共有等々を行っていく方針だ。

