コーポレートPPA組成支援を開始へ【JCLP】ポストFITの民間主導による再エネ拡大視野に
- 2020/6/16
- 総合
- 新エネルギー新聞2020年(令和2年)06月08日付
脱炭素社会実現を目指す日本国内企業のグループである日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)は、コーポレートPPA(Power Purchase Agreement:電力購入契約)による再エネ電力の調達事業に対するサポートを行う。
[画像・上:JCLPによるコーポレートPPA組成支援スキーム]
2017年からは国際NPOのクライメイト・グループの地域パートナーとして、クライメイト・グループが事務局を務める国際イニシアチブのRe100*1・EV100*2・EP100*3の日本における窓口・運用や脱炭素化に関する政策提言などを行ってきた。
コーポレートPPAとは企業が小売電気事業者を介さずに発電事業者と直接契約して再エネ電力を調達する手法を指す。いよいよポストFITが幕を開けようとしている日本国内では民間主導による再エネ普及方法として注目を集めつつある。本取り組みは日本国内で競争力を持った再エネ導入を目指す新たなスキームの構築が目標とされている。一方で欧米ではウィンドファームなどの大規模再エネ発電所を新規導入するコーポレートPPA案件がRE100加盟企業などにより既に多く立ち上がっている。
本取り組みは「JCLPコーポレートPPA組成プロジェクト」と呼ばれている。対象はJCLP正会員企業を中心として、フィージビリティスタディや実施体制の検討・構築などのコーポレートPPAの組成支援に加えて、日本におけるコーポレートPPAのスキーム内容・実現課題の検討やコーポレートPPAに関連する制度・政策への提言なども行う予定だ。
今後JCLPは、2020年度上半期にPPAスキームの検討及び再エネ電源開発プロジェクトの募集・検討を開始する。そして2020年度下半期に、組成されたコーポレートPPAの実施状況などを検証しスキームの改善なども行う予定だ。
JCLPは2009年に設立。2020年5月現在で141社が加盟しており、加盟企業の売上合計は約120兆円、総電力消費量は約48.8TWh(海外を含む参考値・概算値)にのぼる。
*1:RE100=企業活動で使用する電力の100%再エネ由来化を目指す企業群の国際イニシアチブ。加盟社数はグローバルで235社、そのうち日本企業はリコー、城南信用金庫、三井不動産など32社(2020年5月現在)
*2:EV100=2030年までに事業で使用する車両を電気自動車(EV)に転換することを目指す企業群の国際イニシアチブ。加盟社数はグローバルで70社、そのうち日本企業はイオン、アスクル、髙島屋(以上3社はRE100にも加盟)、NTTグループ、東京電力ホールディングスの5社(2020年5月現在)
*3:EP100=事業のエネルギー効率の倍増を目指す企業群の国際イニシアチブ。加盟社数はグローバルで77社、そのうち日本企業は大和ハウス工業(RE100にも加盟)とNTTグループの2社