タケエイ、林業会社を設立 森林管理からバイオマス原料の生産まで一貫
- 2020/6/17
- バイオマス
- 新エネルギー新聞2020年(令和2年)06月08日付
廃棄物処理事業者のタケエイは5月1日、自社バイオマス発電所向け燃料の安定した調達を目的とした100%子会社「タケエイ林業」(東京都港区)を設立した。
これを機に、自ら林業者として森林の保有管理を行い、地域の森林組合などと連携して発電燃料の上流から木質チップの供給までを一貫して行える仕組みを構築する。
タケエイグループは2013年3月、木質バイオマス発電事業に参入。現在までに5カ所のバイオマス発電所を稼働し、1カ所の建設工事を進めている。同社の木質バイオマス発電事業は、グループの中核事業である建設系廃棄物処理・リサイクル事業に次ぐ収益の柱になりつつある。
木質バイオマス発電事業では、中長期的に安定した発電用燃料材の調達が重要になることから新会社を設立した。
同社が保有・管理する森林の伐採、搬出、植林を地元森林組合に委託する。伐採した木材のうち製材用の一番玉(A材)、合板・集成材用の二番玉(B材)を、森林組合などを経由して製材・合板事業者へ販売する。建材に使用できない枝葉、梢端、小径木、根曲がりといった部分(C材・D材)をチップ工場で粉砕し、自社のバイオマス発電所で発電燃料として使用する。森林の管理・運営については、各地の森林組合や素材生産者などと連携し、雇用拡大につなげていく考えだ。
タケエイグループが保有する木質バイオマス発電所は、「津軽バイオマスエナジー平川発電所」(青森県平川市)、「花巻バイオマスエナジー花巻発電所」(岩手県花巻市)、「大仙バイオマスエナジー協和発電所」(秋田県大仙市)、「横須賀バイオマス発電所」(神奈川県横須賀市)、「市原グリーン電力(千葉県市原市)の5施設。建設中の施設は「田村バイオマスエナジー」(福島県田村町)。