≪インタビューシリーズ:脱炭素経営に歩み出した日本企業「三井不動産」≫2030年度までに国内全施設ZEB/ZEH化+メガソーラー事業5倍へ拡大、2050年度に脱炭素化 表明
- 2022/2/7
- 総合
- 新エネルギー新聞2022年(令和4年)01月24日付

三井不動産は脱炭素社会実現のため、2050年度までのグループ行動計画(ロードマップ)を策定した。2030年度までに国内新築物件ZEB/ZEH化、国内全施設の電力グリーン化、メガソーラー事業を約5倍に拡大などを目標とし、エリア全体で脱炭素化を進める街づくりに取り組む。「定量化と30年間の長期的な視点が重要」と話すビルディング本部環境・エネルギー事業部長・中出博康氏に、ロードマップ策定と実行について、詳しくうかがった。

[画像・上:三井不動産の保有施設の一例]
―2050年を見据えたロードマップを発表しました
当社グループは社章の「&」マークに象徴される共生・共存などの理念に基づき、2001年より「&EARTH」をグループビジョンにしています。街づくり企業として、地球環境のことを常に考えて仕事をする姿勢を示しています。
現在は環境に対する貢献を、定量化された数値で求められる時代になっています。そのためロードマップの策定に当たっては、2019、2020年の2カ年について、参加する国際イニシアチブ「SBT」のSCOPE1~3までの内容をそれぞれ分析し、当社のどこからどれくらいCO2を排出しているのか把握することから始めました。
―グループ排出量を2030年度までに40%削減します
2020年度では、グループ全体で約515万トンのCO2を排出しています。そのうち、建築時におけるCO2排出が約230万トンでした。この数値には、建築物の構造に使われる鉄やコンクリートなどの生産時に排出されるCO2が含まれます。建築時の排出は、建築部材そのもの、部材を輸送する、建物を建築する、という3つに分類できますが、実は部材そのものの生産時に排出されるCO2が大半です。

一方で建築後の建物運用時におけるCO2排出が約250万トンあります。中身はSCOPE1であるガスによる燃焼、SCOPE2である建物の共用部の電気、ほかにSCOPE3には、テナント専用部での電気とガス、加えて当社が販売する分譲住宅の将来排出(※)なども計上しています。当社が強く関わる部分として、特にこれら運用時の排出をどう削減していくかを、様々な部署で協力して削減策を検討したものが今回のロードマップです。
―運用時削減の取り組みについて教えてください
断熱や空調の性能を高め、ガスコージェネレーションシステム(CGS)の導入により同規模の標準的な建物と比較して排出量を80%削減した「東京ミッドタウン日比谷」など、ZEH/ZEB水準の環境性能を国内すべての施設で実現します。また自家消費太陽光と非化石証書によりCO2排出量実質ゼロとした「三井不動産ロジスティクスパーク海老名Ⅰ」と同様の施設を増やします。当社は昨年5月に2030年度までに首都圏で所有するすべての施設で共用部のグリーン電力化を決定し、また今回のロードマップでは全国の施設に対象を広げました。

なお非化石市場を活用し、専用部のテナント企業に向けた「グリーン電力提供サービス」も開始しています。希望するテナントは非化石証書によるグリーン電力化が可能で、現在約100社の企業に契約・検討いただいています。

