≪特集「自治体向け再エネソリューション・2022年版」≫東亜グラウトの事例:「下水道の管路更新と未利用熱利用を同時達成する〝ヒートライナー工法〟」
- 2022/5/16
- 地域, 特集
- 新エネルギー新聞2022年(令和4年)05月16日付

都市のインフラ持続可能性向上とエネルギー効率向上に貢献
空調・給湯・融雪など多様な用途に対応
高度成長期に整備された下水道管路は、耐用年数を過ぎ更新時期を迎えている。老朽化対策として既存の管路を生かす更生工法が主流となっているが、東亜グラウト工業(東京都新宿区)の「ヒートライナー工法」は、管路更生技術に採熱管敷設を組み合わせ、管路のリニューアルと未利用エネルギーの有効活用を同時に実現する技術だ。第2回「インフラメンテナンス大賞」優秀賞、平成30年度「環境賞」優良賞、「平成30年度省エネ大賞[製品・ビジネスモデル部門]」中小企業庁長官賞、「第3回エコプロアワード」優秀賞(スマートインフラ賞)、令和3年度「新エネ大賞」新エネルギー財団会長賞を受賞するなど、高い評価を得ている。
[画像・上:路面融雪利用例]
ヒートライナー工法では既設管の底部に採熱管を敷き、その上に更生管を設置する。採熱管に不凍液を循環させ下水熱を回収・排出するが、採熱部は既設管と更生管の間にあるため、熱のみが不凍液に伝達する。更生管内に凹凸など形状変化がないので、流下阻害は起きない。下水管の大部分を占める直径250mm~800mmの中小口径へ適用でき、管路更生と同時施工のため工費も圧縮される。
下水は外気と比べて温度が安定している。ヒートライナー工法による採熱システムを施設に導入すれば、空調、給湯などで化石燃料や電力の消費を抑えられ、CO2排出量を削減できる。下水熱による融雪(屋根融雪・ロードヒーティング)も可能で、同社は全国各地で成果を収めている。下水熱というクリーンエネルギー、地域のインフラである下水道を有効活用する持続可能なまちづくりは、地域脱炭素、自治体SDGsの推進に貢献する。
同社は早くから下水熱に着目しており、2012年に国土交通省下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)の実証研究に、大阪市・積水化学工業と共同で参加。2015年に新潟県十日町市の実証設備で空調と融雪への同時利用に成功。2016年に長野県小諸市で全国初の民間による下水熱利用事業に参画。また同年、国内4カ所(新潟県上越市、青森県弘前市、岐阜県高山市)で小口径下水熱による融雪を確認した。
なお2018年にはB-DASHプロジェクトで「小口径管路からの下水熱を利用した融雪技術の実用化に関する実証事業」が採択され、下水熱が従来よりも低コストで車道融雪できることを実証している。

