【年頭所感・2023年:協会・団体・自治体⑫】成田 正士((一社)バイオマス発電事業者協会 代表理事)「バイオマス発電が果たす役割について」
- 2023/1/18
- 特集
- 新エネルギー新聞2023年(令和5年)01月09日付

新年おめでとうございます。
昨年は電力業界全体にとって激動の年でした。ロシアのウクライナ侵攻はエネルギー供給不安、エネルギー価格高騰を引き起こし、電力需給逼迫、価格高騰を招きました。気候変動問題対策は重要性を増している中、脱炭素と電力の安定供給の両立、3E+Sのエネルギー政策の基本方針の重要性が改めて認識された年だったと思います。そしてバイオマス発電はその特性上、これらの課題解決に貢献できる電源と考えております。
3E+Sの一つ目のEのEnergy Securityですが、バイオマス発電は天候に左右されないベースロード電源です。またエネルギー資源の確保という観点では、日本の国土の3分の2を占める森林資源を有効活用することが出来ます。また海外に目を向けても、調達国が米国、カナダ、東南アジア、豪州等であり、カントリーリスク、調達先の多様化という観点で有効だと考えております。
2つ目のEのEconomic Efficiencyについては、火力発電の脱炭素化に向けたエネルギー資源という観点で経済優位性があります。日本という島国で再生可能エネルギー発電の立地上の制約を考えると、ベースロードで発電できる火力発電は今後も重要な役割を担うと認識しており、水素、アンモニアが普及するまで、脱炭素に向けたトランジションという観点で、バイオマス燃料がその役割を果たしいけるのではと考えています。
最後のEのEnvironmentについては、バイオマス燃料自体のカーボンニュートラルな性質に加え、森林を適切に伐採することにより、森林のCO2吸収能力向上の効果も期待できます。日本の森林は伐期を迎えた50年生以上の森林が半分を超えており、CO2吸収量はここ20年で30%以上減少しているなか、森林資源を安定的に循環利用できるバイオマス発電の貢献が重要な鍵となります。
上記の通りバイオマス発電は脱炭素化と安定供給の両方に貢献できる電源だと考えておりますが、そのための前提として燃料調達が持続可能なものでなければなりません。協会としては持続可能性を担保しながら、バイオマス発電業界の健全な発展に向けて取り組んでまいります。

