【年頭所感・2023年:企業㉞】中村 創一郎(株式会社Looop 代表取締役社長CEO)「エネルギー安全保障とコスト低減を再エネで」
- 2023/2/1
- 特集
- 新エネルギー新聞2023年(令和5年)01月09日付

新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
ウクライナ情勢の悪化にはじまり、急激な円安が進むなど昨年は激動の一年でした。とくにエネルギー業界においては3月には初の電力ひっ迫警報が発せられ、日本のエネルギー安全保障に対する信頼はゆらぎ、事業者である我々は抜本的な事業構造の見直しを迫られました。
そうした中、当社は4月に「再エネ電力宣言」を発表しました。Looopは再生可能エネルギーの最大普及を通じエネルギーコストをゼロに近づける「エネルギーフリー社会の実現」をビジョンに掲げてきましたが、再エネ電力宣言は昨今のエネルギー市況を鑑み日本のエネルギー自給率の向上とコストの低減に向けて再生可能エネルギーの普及に取り組むことを改めて表明したものです。
具体的には、まず急増する民間企業における再エネのニーズに応えるべく、FIP制度下でも再エネを固定価格で買い取ることで再エネ発電所「Looop FITプレミアム」を3月にリリースしました。自社電源の拡大にも継続して取り組んでおり、7月には中部電力とともに取り組む当社初の陸上風力事業「ウインドファーム豊富」に着工致しました。
また再エネ導入の拡大に欠かせないのがエネルギーマネジメントです。さいたま市浦和美園におけるスマートホーム・コミュニティに導入したエネルギーマネジメントシステム「エネプラザ」が4月に稼働開始し、光栄なことに米国環境保護庁長官をはじめ国内外から官民連携による先進的な取り組みとしてご視察いただきました。さらに12月にはエネルギーマネジメントの輪をさらに拡大すべく、Looopでんきの標準メニューとしてダイナミックプライシングを取り入れた新しい料金メニュー「スマートタイムONE」をリリースしました。電気料金単価が30分毎に電力市場価格に連動して変わるという仕組みで、例えば太陽光発電量が多く市場価格の安い日中は電気代が安く、反対に需要の増える夕方には高くなります。お客様の行動次第で節約でき、ひいては電力需要のピークシフトにつながることを体験していただき、エネルギーマネジメントの概念を日本に根付かせたいと考えています。
本年も再エネ普及によるエネルギー自給率の向上とコスト低減を推進し、当社のビジョンである「エネルギーフリー社会の実現」に向け全力で邁進してまいります。