【年頭所感・2023年:企業㊲】齊藤 猛(ENEOS株式会社 代表取締役社長)「新年にあたって」

はじめに

私たちを取り巻く環境は、社会や人々のニーズの変化、脱炭素に関する社会からの要請の高まり、そして、デジタル化の進展によって、変化のスピードを加速させています。また、新型コロナやウクライナ情勢、米国の金融引き締め等の影響により、足元でも、世界的な大きなうねりが起きています。
変化の激しい事業環境の中、ENEOSグループが勝ち残るためには、前例にとらわれない抜本的な改革を、スピード感をもって、グループ全体で推し進める必要があります。
このような状況の中、今後、私が未来に向けて取り組んでいきたい活動について以下の通り申し上げさせていただきます。

第2次中期経営計画の進捗

2020年度から進めている第2次中期経営計画に基づき、エネルギー、石油・天然ガス開発、金属およびその他の事業領域において、「事業ポートフォリオの見直し」・「技術立脚型事業の獲得・拡大」・「次世代型エネルギー供給・環境対応」といった施策を着実に進めてきています。
石油・天然ガス開発事業と金属事業については、資源価格や為替の影響を捉え、一定の収益を確保できています。一方、エネルギー事業に関しては、製油所トラブルの発生、電気の調達コスト増や石油・石油化学製品の市況影響を受け、極めて厳しい状況にあります。
現状では、エネルギー事業がグループ全体のブレーキとなっているため、本年度が最終年度となる第2次中期経営計画の目標達成には、即効性のある追加の損益改善策を速やかに講じる必要があります。

第3次中期経営計画の策定

現在、進めている第3次中期経営計画の策定では、長期ビジョンで示した2040年の「ありたい姿」の実現に向け、いつ・どこで・何をするかについて、5年・10年の時間軸で、経営のグランドデザインや事業ポートフォリオの見直しも検討しています。
経営管理の方法については、資本効率を重視した事業評価を行っていく。また、ENEOSグループの「ありたい姿」そのものについては、全てのグループ社員が共感し、そして、自分事として実践できるための仕掛けを準備しています。
エネルギー事業のうち、喫緊の課題である製油所の安定稼働については、トラブル原因を取り除くための要素を洗い出しており、足元ですぐできることも含め、短期・中長期の施策を進めていきます。ビジネスプロセス改革は、およそ50の分野でワーキングを立ち上げ、各部門が主体的に活動しています。
第3次中期経営計画は本年春頃に発表する予定だが、その際には、ここで伝えたものに限らず、多くの改革を示し、私が率先して、それらを推進していきます。雨垂れが石を穿つが如く、自らの言動でこれを示し続けていきます。

企業風土改革

私が社長就任時に掲げた3つの大きな使命のうち、『変革と挑戦の企業風土の醸成』が最も重要と考えています。ENEOSグループの全員が「自律的に変わり続ける」という意識を持ち、グループ全体で社会の発展と活力ある未来づくりに貢献していきます。

最後に

私たちが取り扱っている商材は、エネルギー・素材が中心です。しかし、その提供価値の本質は、『モノを動かすこと』・『温めること』・『明るくすること』・『モノ自体を提供すること』にあります。
こうした社会生活の根源、言い換えるとヒトの命を支える価値を、いつ・いかなるときも、社会に責任を持つ立場で、安全に・安定的に・効率的に提供していくこと、それこそがENEOSグループの本質です。全てのグループ社員がその本質を胸に、主体的に、永続的に変化し続けることが真の改革です。
ENEOSグループ全体で強固な一体感を作り、全員で未来に向けて邁進していきます。

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