【年頭所感・2023年:企業㊸】馬上 丈司(千葉エコ・エネルギー株式会社 代表取締役/(一社)太陽光発電事業者連盟 専務理事/(一社)日本PVプランナー協会 専務理事)「次の100年の豊かさを築くためのエネルギー政策を」

ロシアのウクライナ侵攻によってエネルギー危機が深刻化し、国内の電気料金もかつて無い水準にまで高騰している。そのような情勢下にあって、生活電源として私たちの暮らしに身近な場所で活用でき、迅速に導入可能な再生可能エネルギー電源である太陽光発電を求める動きは拡大しており、もはやFITやFIPといった理念も目標も欠き自己目的化した政策支援とは無縁の次元で、その導入が進もうとしている。本来、こうした未曾有の危機的状況に際しては将来に向けた確固たる政策方針が示されるべきであるが、再生可能エネルギーの分野では残念ながらそれを欠いたままの1年が過ぎてしまった。

再生可能エネルギー電源の確保のためにソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)に期待する声も大きくなっているが、農地においては農業生産を第一に考えるという基本的な姿勢すら持たないプレーヤーも残念ながら増えてしまっている。何のためにそれをやるのかという哲学を欠いたまま、単に農地を太陽光発電の立地として捉えるだけであれば、過去10年間の全量FIT制度下における太陽光発電事業開発の失敗を繰り返すだけである。

電気は現代社会において豊かさの根源である。100年前の先人達が目指した電気がもたらす豊かさの上に、私たちの暮らす社会は存在している。自らの目先の利得だけを考えてコストの議論に一喜一憂するという贅沢な時間的余裕はもうなくなった。もはや私たちの生存に必要なエネルギーをどう確保するかを考えなければならない状況に突入したことを、はっきりと自覚しなければならない。100年後に豊かな社会を残すために、先人達から受け取ったこの社会を次の世代に受け渡していくために、今を生きる私たちが何を成すべきかを考え、それを直ちに行動に移していく。その決意を込めたエネルギー政策を確立し、子供達に誇れる未来を築く第一歩を踏み出す1年にしていこう。

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