【年頭所感・2023年:学術・研究⑤】牛山 泉(足利大学 理事・名誉教授)「洋上風力発電の導入加速を」

新年あけましておめでとうございます。コロナウィルスのパンデミックもなかなか終息せず、昨年2月から始まったロシアのウクライナ侵攻によりエネルギー問題を中心に経済界も大きな打撃を受けております。さらに、昨年も国内外で、地球温暖化に起因する自然災害が頻発しており、温暖化防止が急務となっております。

このような中、わが国においても2020年10月の菅総理の2050年カーボンニュートラル宣言以降、具体的な二酸化炭素削減に向けた各種の取り組みが活発化しております。これには温室効果ガスの8割近くを占めるエネルギー分野の取り組みが特に重要であり、省エネルギーの徹底と再生可能エネルギーの最大限の導入が求められます。再エネの中でも、特に洋上風力発電は大量導入が可能であり、コスト低減も見込まれ、経済波及効果も大きいことから、まさに再生可能エネルギーの主力電源化に向けた切り札と言えます。国際エネルギー機関IEAの報告によれば、日本の洋上風力発電のポテンシャルは電力需要の9倍にも相当すると述べられており、これを最大限生かすべきであります。ロシアのウクライナ侵攻を受けて、EUの首脳部が「最大の安全保障はエネルギーの再エネシフトである」と述べておりますが、まさに至言であります。

欧州諸国には遅れましたが、日本でも、昨年は洋上風力発電の4つの具体的な促進区域における事業者の選定が行なわれ,これと並行して4個所の基盤港湾の整備も動き出しております。NEDOのグリーンインヴェストメント基金においても、次世代浮体式洋上風力発電システムの開発が最重要視されており、第1段階における事業者が決まり、社会実装や将来のアジア市場への展開も評価されております。

今年は洋上風力発電の導入加速の年としなければならないといえるのではないかと思います。

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