《創刊10周年特集〝エネルギーの来し方10年・行く末10年〟関連団体が再エネ『過去・現在・未来』を定量化》⑤(特非)地中熱利用促進協会
- 2024/6/13
- 特集
- 新エネルギー新聞2024年(令和6年)06月10日付

[画像・上:地中熱利用促進協会による国内の地中熱導入実績集計・予測]
(特非)地中熱利用促進協会 理事長 笹田政克
当面は建築物・住宅を中心に今後は面的利用と新分野で導入拡大

地中熱は地表近くにある再生可能エネルギーで、国内のどこでも熱として利用できる。市街地に限ってみても膨大な量の導入ポテンシャルがあるが、まだそのほとんどが未利用のままである。欧米諸国では1970年代の石油危機以降に石油代替エネルギーとして地中熱利用が始まったが、日本ではそれから30年経った2010年のエネルギー基本計画(第3次)で初めて国の政策に地中熱が取り上げられた。2011年には経産省で再エネ熱を対象にした補助事業が始まり、地中熱ヒートポンプの設備容量は2015年までの5年間に、年平均増加量が年間17.2MW熱と大きく伸びた。2016年以降の5年間は再エネブームが落ち着いてきたが、着実に導入量は増えている(平均増加量は毎年12.0MW熱)。そして2020年の脱炭素宣言以降再び地中熱の伸びが大きくなってきている。
地中熱利用促進協会では、地中熱ヒートポンプの普及拡大を中長期的な視点から検討し、2017年にロードマップを公表したが、今年そのロードマップの改定し、2050年の地中熱導入目標を示す。地球温暖化対策計画の別表に再生可能エネルギー熱利用についての目標値1,341万kℓ(原油換算)が書かれているが、当協会では、その10%にあたる134万kℓ(原油換算)を2050年に実現すべき目標とする。今回示した2034年の予測値は、このロードマップに従って求めた値である。
ロードマップを実現するには、対応すべ普及課題として、コスト、認知度、国及び地方の政策、技術開発、技術の普及、環境影響評価、環境価値の評価、分野拡大等があり、当協会では目標実現に向け、制度施策、広報、経済調査、技術、環境、地域活動の部会で、これらの課題に取組む。
地中熱ヒートポンプは、当面は建築物・住宅を中心にして、脱炭素先行地域、ZEB、ZEH(集合住宅)などで普及を進めてきているが、将来的には面的利用と新規適用分野の開拓等により導入拡大を進めていきたい。

