《創刊10周年特集〝エネルギーの来し方10年・行く末10年〟関連団体が再エネ『過去・現在・未来』を定量化》⑥(公財)自然エネルギー財団
- 2024/6/14
- 特集
- 新エネルギー新聞2024年(令和6年)06月10日付

[画像・上:自然エネルギー財団では自然エネルギー全体の供給可能予測に加えて、太陽光・風力発電の導入加速に向けた新たな提言を策定中だ]
(公財)自然エネルギー財団 常務理事 大野輝之
10年の遅れを取り戻すエネルギー転換戦略を

過去10年、発電量に占める割合は10%から22%になるなど、日本でも確かに自然エネルギーは増加しました。しかし同じ期間にドイツも英国も風力発電などを急拡大し、日本の倍の速度で自然エネルギーを導入しています。欧州各国だけでなく、中国・インドの導入速度も速く、米国もIRA成立以来、急ピッチで太陽光発電・風力発電が拡大しています。
日本の自然エネルギー導入速度を大きく引き上げないと、今後10年で日本と世界の差は更に大きくなってしまいます。日本以外のG7各国が2035年までの石炭火力廃止で足並みをそろえているのに、日本だけが抵抗しているのは、自然エネルギー拡大に遅れていることの裏返しです。
いまや脱炭素をしないと投融資先として選ばれない時代になっています。同様に、脱炭素をしないとバリューチェーンから外され、取引先としても選ばれなくなっています。原発やゼロエミッション火力に期待をかける人もいるかもしれませんが、仮にうまくいっても今後10年でこうした技術が供給できる脱炭素電力はわずかです。
昨年のCOP28が世界共通の目標として、2030年までの自然エネルギー設備容量3倍化を決めたのは、太陽光発電、風力発電こそが脱炭素を実現する最も確実な手段だとの共通認識が広がっているからです。同様にエネルギー効率化の速度2倍化も決定されました。
政府のGX戦略には、自然エネルギー拡大とエネルギー効率化を2本の柱とするという骨太の戦略を欠いています。
自然エネルギー財団は、今回、電力需給シミュレーションを行い、2035年に自然エネルギーで80%の電力を安定的に供給できることを示しました。また太陽光発電、風力発電の導入を加速するための提言もとりまとめています。今後10年の遅れを取り戻すエネルギー転換戦略を日本の合意とするため、様々な取組を進めていきます。

