創刊10周年特集【こうなる・こうする「10年後のエネルギー、10年後の我が社・我が団体」】》ヤンマーエネルギーシステム株式会社
- 2024/6/25
- 特集
- 新エネルギー新聞2024年(令和6年)06月10日付
《今後10年のエネルギーの「キーワード」》
脱炭素・レジリエンスな社会の実現
[画像・上:ヤンマーエネルギーシステム株式会社 代表取締役社長 山下宏治氏]
この度、創刊10周年を迎えられたこと、心よりお慶び申し上げます。
これまでの10年間、温暖化対策として脱炭素化への活動が推進される中、世界各地で発生した異常気象や地震などの災害によるレジリエンス性の確保が叫ばれるなど、エネルギー業界を取り巻く環境はめまぐるしく変化してきました。
当社はヤンマーグループのエネルギー担当として、古くから非常用発電機などの開発からアフターサポートまでを広く手掛けており、近年では、脱炭素社会の実現に向けても、他社と協力しメタネーションガスによる発電機の開発や水素関連機器の実証試験なども積極的に進めております。
昨年岡山に開設した「ヤンマークリーンエナジーサイト」は、「実証」「認知」「対話」をコンセプトに、当社の脱炭素の取り組みをお客様に知っていただき、対話しながら、協力して脱炭素社会の実現に向けて歩みを進めたいという思いで水素関連商品やそれらを含めたエネルギーマネジメントの実証を進めている施設です。
また、非常用発電機では停電時にも安定的に電気を供給できる都市ガス混焼仕様ディーゼル非常用発電機の受注を開始しました。災害復旧に必要なライフラインの確保はおよそ72時間と言われていました。本機は、ディーゼル燃料に都市ガスを混焼させることで、同様の燃料タンク容量での運転可能時間を72時間から、近年推奨されている168時間(約2.3倍)に延ばす事を可能にした商品です。BCP対応に貢献するとともに液体燃料のみの運転と比較しCO2排出も低減できるといった、低炭素とレジリエンス性の両方に貢献します。
さらに、現在発売に向けて準備を進めている、もみ殻バイオ炭製造装置は、適切な処理をしなければCO2の約25倍の温室効果があるメタンガスが発生するもみ殻を資源と捉え、カーボンネガティブを実現することで、環境面や経済面でお客様のメリット確立を目指す商品です。
水素価格や再生可能エネルギーの安定供給など、まだまだ大きな課題がある中、当社はこれからの10年では既存の資源のさらなる有効活用が必須であると考えており、完全なる脱炭素実現に向けての過渡期においても対応していける「トータルエネルギーソリューション」を提案していきます。
ヤンマーグループでは、持続可能な社会の実現に向け、「YANMAR GREEN CHALLENGE 2050」を推進しています。これからも、自社に限らず、お客様も含めた脱炭素化への課題解決に貢献していきます。