創刊10周年特集【こうなる・こうする「10年後のエネルギー、10年後の我が社・我が団体」】》株式会社エクソル
- 2024/6/26
- 太陽光
- 新エネルギー新聞2024年(令和6年)06月10日付
《「今後10年のエネルギー」に向けて》
『利他』と『共創』の星・地球へ
[画像・上:株式会社エクソル 代表取締役社長 鈴木伸一氏]
10年前、私は(一社)太陽光発電協会(JPEA)の事務局長として課題や批判への対策のため、エネ庁はじめ関係機関と協議を続けていた。
その前年、下村代表理事と出席した総合資源エネルギー調査会において、突然出た「産業用買取価格が20円を切るのはいつ頃だとお考えですか?」に「5年後(2018年)にはそうありたい、と考えております」と答えて頂いたことを鮮明に思い出す。そして、5年後の2018年、買取価格は税込1kWh当たり19.8円となった。
あれから10年、太陽光発電は、予定通りFITもほぼ終焉を迎え、FIPは少し足踏みしているものの、順調にNon-FITへと軸足を移し、普及量を伸ばしている。
「フィロソフィーが誤っていなければ、制度の未熟さは、技術と価値観、行動の進化によって必ず解決される」という結論の下に。
フィロソフィーの正否とはなにか?
「利他」の志がどれくらい上回ってそれを支えているか、である。
勿論、紆余曲折はあった。しかし、実際、10年を経て、その通りになっている。これは大きな「変化」であり「進化」である。
しかし、10年間変わっていない課題もある。
日本という国(だけではなく様々な国が)がエネルギー弱者であり、常に、実はギリギリの状態でいつ人々の生命が脅かされてもおかしくない、という状況だということだ。
そしてそれは、人類の「悪想念というエゴ」によることで引き起こされている、ということが、エネルギー・ショックで更に明らかになり、一方で、地球の異常気象をはじめとする天変地異は予想通り着々と進行している。
人類はこのままでは自らの手で自らを滅ぼしてしまうだろう。
では、これからの10年、私たちは何をせねばならないか。もう自明であろう。
『自給自足の分散化エネルギー・電源の確保と普及』である。
昔の井戸水の如く、分け隔てなく、消費する者たちがそれぞれ自分たちのすぐそばで、使う分を創り確保する、それだけだ。
そうすれば、地球から戦争は激減し、世界中の人々が分け隔てなく必要十分(足ることを知る、の如く)なエネルギーを享受でき、地球環境も劇的に改善されるであろう。
理不尽に命を奪われる子供たちがいなくなり、無電化地域で不自由な生活を強いられる人々もいなくなり、何より、これまでいかに無償の愛で我々を生かしめてくれたか、という地球への感謝を取り戻し、自らを滅ぼす、という最大の愚行・業(カルマ)から人類は解放され、「悪想念・エゴ」から「利他と感謝・共創」の次元へと進化発展することになる。
10年で、とは言わない。せめて2050年までには、そんな理想の星・地球にしたいものである。