【特集「RE100化ソリューション」】≪インタビュー「リコー」≫RE100国内初加盟から2年、再エネに舵切る社会転換実感
- 2019/11/25
- 特集
- 新エネルギー新聞2019年(令和元年)11月25日付
―オフィスはZEBで、車両はEVで脱炭素。生産拠点はどのように進めますか
内藤 エネルギー消費が多いのは生産拠点ですが、規模が大きいため、屋根上に太陽光パネルを敷き詰めても、すべての消費電力を賄えるわけではありません。省エネを突き詰め、経済合理性のある範囲で太陽光発電設備を設置する。一部は第三者所有モデルなども利用します。11月から中国の生産会社では、PPAにより社屋の屋根に2.8MWの太陽光発電設備を設置し、年間使用電力の約20%が再エネ電力となります。そうした施策のほかは、購入電力を再エネ率の高いものに切り替えていく、あるいは電力証書、クレジットを使うことになるでしょう。

阿部 生産拠点の再エネ化ということでは、ほかにも2018年4月にフランスの再生機生産ライン、トナーカートリッジ再生ラインの電力を100%再エネ化しました。また今年8月には主力製品であるA3複合機の組立生産に使用するすべての電力を100%再エネ化するため、タイ1工場、中国1工場、国内1工場を100%再エネ化、加えて中国と国内の生産拠点の一部でA3複合機生産ラインの電力を再エネ化しました。再エネ電力を使ったものづくりは、お客様の環境経営や脱炭素の一環として製品を採用していただく販売促進と、再エネ率の向上が狙いです。また欧州を中心としたグローバル調達において、ESG経営や気候変動対応がサプライヤーの評価基準であることも後押ししています。欧州の販売会社では10社、8割の電力は再エネ化しており、主要な拠点はすでに再エネ化済です。欧州はグリーン電力が比較的許容できる価格で購入できます。日本はまだ高価です。
―ソリューション提案が多くあるということですが、提案は歓迎なのでしょうか
内藤 歓迎しています。
阿部 常に世の中の変化に注視しています。当社のRE100への参加表明もきっかけの一つだと思いますが、この2年間でも大きく世の中が変化したと思います。RE100企業だけでなく、日本の中小企業や企業以外の団体による「RE Action」なども発足し、需要側が明確にシグナルを出すことで、供給側と歩み寄れている。私たちが目標達成のために高くても再エネ電力や高効率の設備を買えばよいわけではなく、社会全体に広げるためにRE100を宣言しています。具体的なソリューションがあれば、基本的にうかがいたいです。
内藤 再エネ電力によるコスト増加を、単純に製品価格に転嫁すればよいのか、という部分もあるでしょう。「安くていいもの」は、みなさんが求めるものですから。
阿部 逆に特別な価格でも納得する一部の人や企業が購入するだけでは、主流になりません。だからこそ再エネ電力にも経済合理性は重要で、普通に再エネ電力を選べ、社会全体がRE100化する未来が来ればいいと思っています。

