≪特集「太陽光パネルのリユース・リサイクル」≫③リサイクルテック・ジャパン:パネル専用リサイクルライン完備、1日あたり1,600枚を分別処理可能
- 2020/5/26
- 特集
- 新エネルギー新聞2020年(令和2年)05月25日付

リサイクルテック・ジャパン(愛知県名古屋市)は、2013年に太陽光パネルリサイクル事業に参入した。FITが導入された翌年に、将来起こりうる大量廃棄問題を見据え決断した。「太陽光をはじめとした再エネ主力電源化のため、出口での適正処理・処分が重要(高取美樹社長)」との思いがあった。
[画像・上:同社の太陽光パネルリサイクルライン]
操業当初から、環境省の実証事業に参画するなどしてリサイクルのノウハウを蓄積してきた。埋め立て廃棄が主流だったが当時、分別処理できる太陽光パネル専用リサイクルラインを、国内で初めて導入した。
廃棄太陽光パネルを圧縮粉砕したのち、ふるい分けと風力選別機でゴミを取り除いて分別。ガラスはカレットとして売却し、バックシート・混合物を製錬会社に売却する。太陽光パネル専用リサイクルラインがある第3工場(名古屋市港区)では、1日に太陽光パネル約1,600枚を分別処理することができる。

廃太陽光パネルの引き取り可能なエリアは、愛知、岐阜、三重、静岡の東海エリアをはじめ、関東甲信越(東京、千葉、埼玉、栃木、神奈川、茨城、群馬、長野)、北陸(石川、福井、富山)、近畿(大阪、京都、奈良、兵庫、滋賀、和歌山)となる。山梨は申請中。
「足元では、FITが終了した住宅用太陽光の廃棄に関する問い合わせが増えている(同社)」と言う。「大量廃棄が始まる2030年よりも早い段階から案件が急増する(同社)」と見ており、新たな工場増設、保管設備拡充も計画している。