≪特集「太陽光パネル大量廃棄時代に向けて」≫JPEA技術部長・亀田正明氏インタビュー
- 2019/6/10
- 特集
- 新エネルギー新聞2019年(平成31年)06月10日付

「まずはガイドラインに沿い適正な処置実施を。法整備やコストダウンも必要」
再エネで中心的な役割を果たす太陽光発電。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の推計では、FIT制度開始当初に導入された太陽光発電システムが買取期間終了となる2034~6年頃に、使用済太陽電池モジュールの廃棄がピークを迎え、2036年には年間約17~28万トン、産業廃棄物の最終処分量の1.7~2.7%に相当する量が排出される。高まることが予想されるリサイクル処理のニーズ。廃棄モジュールはどのようにリサイクルされるのが適切なのか。太陽光発電協会(JPEA)の亀田正明氏に訊いた。
経産省でも廃棄等費用の積立てについて議論が進められているように、JPEAも健全な太陽光発電の普及促進という観点から、適切な処理やリサイクルを望んでいます。現状ではFIT開始からまだ7年と大量に発生する段階ではありませんが、その可能性を認識し将来に向けて廃棄パネル対策を進めるべきでしょう。
JPEAでは環境省の「太陽光発電設備のリサイクル等に向けたガイドライン」に沿った処理を推奨しています。昨年12月に内容が見直され第二版となりましたが、改定のポイントとしては、まず廃棄についてモジュールを埋立処分する際は、管理型での処分が明確に示されました。また解体・撤去工事の発注者の責務について、本ガイドラインにくわしく記述されました。
なおリサイクルについては、JPEAは総務省勧告等を踏まえ、モジュールに含まれる有害物質に関する情報提供について「使用済太陽電池モジュールの適正処理に資する情報提供のガイドライン*1」を策定し、公開しました。このガイドラインに沿って27社が情報提供に協力しています。詳細については各社のウェブサイトで確認できます。
さらに昨年は災害の多い年で、太陽光発電システムの被災が散見されました。水害などによって発生した廃棄パネル処分の委託先について問い合わせがあったことから、一定レベルで処理あるいはリサイクルができると自己申告する事業者を募り、「適正処理(リサイクル)の可能な産業廃棄物中間処理業者名一覧表*2」を、JPEAの自主的な取組としてウェブサイトで紹介しました。今年の3月現在24社で、各地で委託先を探せるよう、全国をカバーして中間処理業者を掲載しています。
パネルリサイクル対応のためには、今後は規制緩和など制度の整備も必要でしょう。加えてリサイクル技術の開発によるコストダウンや、主に再資源化されるガラスの用途開発なども重要になると考えています。
*1:使用済太陽電池モジュールの適正処理に資する情報提供のガイドライン(第1版)
*2:適正処理(リサイクル)の可能な産業廃棄物中間処理業者名 一覧表
廃棄パネルに対応する政策の最新動向
太陽光発電パネルの廃棄費用を担保する制度設計が経済産業省で始まっている。専門家からなる諮問委員会(委員長=山地憲治・公益財団法人地球環境産業技術研究機構 理事・研究所長)で既に決定されている基本方針に沿って、より具体的な制度の構成を議論するためのワーキンググループ(WG、座長=若尾真治・早稲田大学教授)の第一回会合が4月に開催された。

現状のFIT制度では買取価格に廃棄費用は繰込まれているが、現時点で廃棄費用の積立てを実施している事業者は少数派にとどまる。WGには既に稼働しているものも含め10kW以上の全ての案件について、①原則として費用負担調整機関(低炭素投資促進機構:GIO)が源泉徴収的に積立てを行う方法による外部積立を求め、②長期安定発電の責任・能力を担うことが可能と認められる事業者に対しては、内部積立を認めることも検討するという制度の方向性が示されている。
≪特集「廃棄パネルへの対応」≫
①エヌ・ピー・シー:独自開発「ホットナイフ分離法」で効率的なパネル解体実現
②東芝環境ソリューション:太陽電池・二次電池に係るソリューション事業を展開
③エコネコル:物質特性の違いを利用して選別 回収したパネルはほぼ再資源化

